書評

シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは

1.今日の一言と本のサマリー

皆さんは気がついたら、ついものを買ってしまっていたという経験はありますか?

買い物をしていたら予想よりもはるかに高くなってしまった…
全く興味がなかったがつい購入してしまった…
それほど急ぐものではなかったはずなのに、今すぐ決断しなければならないと感じさせられてしまった…

こういった行動の影には心理的トリガー(引き金)の存在があります。それはお客の心に働きかけ、心を動かし、購入を決めさせてしまう。一体どんな心理的トリガーが存在しているのか?

メンタリストDaiGoが、10倍の値段で買って損をしない本と推薦する、『シュガーマンのマーケティング30の法則』をご紹介します。

2.ポイント3点

お客がものを買う理由の95%は、無意識の決断だとされている。
感覚が唯一最大の購買動機だ。

日本人は言い訳や自己主張、断ることさえ下手だからこそ、それをしなくて良い配慮としても思いやる力は大切だ。

テクニックで儲けることができても、所詮お金が増えたに過ぎない。お客に感謝されてお金を増やすためには、この思いやる力が必要なのだ。

3.岡崎の考察

売れるセールスマンほど無意識にここで描かれている手法を実践していることは間違いないでしょう。ですから、自分が売りたいものを売り込んでいくためにも、もしくは不要なものを買わされないためにも、この心理的トリガーを押さえておくのは非常に有効だと思います。

①一貫性の原理を活用する
一旦購買決定をしたお客は、ついで買いをするなど、最初の購買行動と一致した行動をとり続けようとします。例えばカーセールスのケースを考えてみましょう。
最初は乗れればいいと思って車の購入を決定します。そして話を進めていくと、
さらに特別なサービスが…
実はもっとお得にする方法が…
今だけ特別に…
などと言われ、追加オプションをいくつも選択してしまい、結局想定していたよりもかなりの高額になってしまうようなケースがあると思います。
これは一度購入すると決めると、他の提案をされてもそのまま同じ購入をするという行動を一貫して取ろうとする原理が働いている結果です。
もしあなたが売り込みを考えているなら、小さなイエスを積み重ねこと。まず購入の決断をしやすいものから進めるようにしましょう。

②顧客の特徴を知る
お客を知ること。何がお客を買う気にさせるのか、あなたの商品を買う感情的、合理的理由がわかれば、売れる手がかりをつかんだも同然となります。セールスと言われると、売り込むことばかりを考えてしまいます。しかし大事な事は相手にとって必要な、求めているものを提供すること。
あなたの商品が満たすべき基本的なニーズがどこにあるのか、お客のニーズや特徴を理解すれば、非常に効果的なセールスが組み立てられるはずです。まずはお客を知ることから始めましょう。

③人は感情で買って、理屈で納得する
購買を決定する最初のきっかけは、感情です。心がイエスになった商品しか買う事はありません。コピーを書くこととは言葉や感情を感覚的に神の上に溢れ出させることだといいます。セールスもまた、コピーライティングと同じように考えるべきでしょう。多くの人は理屈で売ろうとしてしまいますが、感覚で売ることと理屈で売ることの違いがわからなければなりません。

④100%満足させろ!
感情の面でもイエス、理屈の面でもイエス。しかしなかなか最後の1歩が踏み出せない。そんなことがあります。その理由は、せっかく稼いだお金を無駄に使いたくない、少しでも確かなものに使いたい、100%満足できるものでありたいという、保証という概念が働くからです。この概念を、満足の確約といいます。
例えば、セールスの最後にこのように言われたらどうでしょうか?
万が一お客様にご満足いただけなかった場合は、お好きな時にいつでもご返品いただいて構いません。お試し期間もありません。いつでもご返品いただければ、代金を全額お返しします。ここまで念押しされたら、購入するしかないでしょう。そしてえてして多少不満足があっても返品にまで至る人は少ないものです。

このほか、とてもわかりやすく人の心が動く、心理的トリガーを解説した本書。素晴らしい一冊でした。お勧めです。

4.気になるワード

セールスにおいてこそ顧客心理が重要
心理的トリガー(引き金)、それはお客の心に働きかけ、心を動かし、ついには購入を決めさせてしまう。
お客がものを買う理由の95%は、無意識の決断だとされている。
第一の心理トリガー、一貫性の原理がある。
見込み客を顧客にチェンジさせるためにできる最も重要なこと、それはどれほど小さな買い物であっても、購買決定をこれ以上ないほど簡単なものにしてあげることだ。
最初は必ず簡単なものを買わせる
一旦購買決定をしたお客は、ついで買いをするなど、最初の購買行動と一致した行動をとり続けようとする。
どうすれば、商品の特性を見極めたり、アピールポイントを知ることができるのだろうか?見極めるには2つの方法がある。
①自分が売ろうとしている商品を熟知すること
②自分自身が持っている知識を駆使すること
どんな商品にもそれぞれ特有の性質、つまり、商品ならではのお客との接点がある
セールスでは、売ろうとする商品のアピールポイントだけでなく、顧客の特徴を知ることも重要だ
明らかな弱点や欠点のある商品を売るときには、私は必ずその弱点や欠点をコピーの最初に持ってきた
欠点は、マイナス面を最初に提示することでお客の抵抗感を抑えたり、場合よっては全く取り除いてしまうことだってある
まず、お客を騙せるなんて思わないほうがいい
販売プロセスでは、セールスの初めの段階で、お客の抵抗感に焦点を合わせることが重要だ。それに負けず劣らず重要なのは、抵抗感を克服するための戦略を立てることだ。それが売り込みに対するお客の抵抗感を確実に予測し、素早く解消することで、顧客の信頼を得ることにつながるのだ。
困難がある所には、同時に大きなチャンスが存在していることがよくある
問題と呼べるものに遭遇するたびに、私は反射的にチャンスはどこかと考えている
失敗を克服できたら、事態が起こらなかった場合よりも顧客の信用を得ることができる
読み手を空想旅行に連れ出して心をつかむ。
読み手を巻き込むような広告コピーはとても効果がある。
誠実とは有言実行のこと
言動が一致している限り、人は誠実だ。
何を言ったとしても言った事は守らなければならない。
お客には、信用され好意を持たなければならない。せっかくの信用や信頼、交換が間違いなく崩れる要因が、言行の不一致なのだ。
人間はストーリーと共に生きてきた。だからお客と心を買わせたいと思ったら、ストーリーを使うのが1番だ。
子供の頃から慣れ親しんできたために、人は皆物語が好きである。物語はセールスに人間味を与え、あなたとお客をつなぐ役割を果たす。
会社の大きさや地位など、権威が欲しければ、それを示すために必ず何かしらかのアピールポイントがあるものだ。
真剣に探せば、会社の権威を築き、販売商品に対する自社の専門知識や能力について自慢できることが何かしら見つかるはずだ
頑張って稼いだお金だから、つまらない失敗はしたくなかった
人は本当に権威が好きなのだ。
購買決定をする際、お客は誰もが経営に頼りたがる。その分野の専門家とされる人や企業から商品を買うことができれば、お客にとって大きな価値となる。
たとえ億万長者であっても、損するのは嫌だ。それ以上に、払った分を超える得が欲しいと思っている
どの広告でもできるだけ比較対象を上げて、お買い得感を与えようとしている
人は感覚で買い物をし、その買い物を理屈で納得する
コピーを書くとは言葉や感情を感覚的に紙の上に溢れ出させること
セールスに携わる人間ならば、感覚的に得ることと理屈でいることの違いがわからなければならない
感覚が唯一最大の購買動機だ。感覚がお客様の買うきっかけならば、理屈は納得するためのもの。
なぜそれを買うべきかという論理的にお客に与える必要がある
満足の確約は、セールスでは決定的なほど重要
満足の確約とは、お客に、私はあなたが満足することを確信しているので、たとえ自分のお金を使ってでも、そんなにしてもらったら損をするんではと、逆にあなたが心配するくらいのことをして差し上げます。という意味をメッセージなどで伝える。
帰属欲求は、なぜ特定の商品やサービスを購入するにあたって、最も強い心理的トリガーの1つだ。
人が特定の商品やブランドを買うのには、ブランドを既に所有している人たちの仲間入りをしたいという強い心理的理由がある
人間の心理には、収集したいという強い衝動がある
切迫感というのは、自分にとって大事なものを失いそうになったときに1番強く感じる。
切迫感を与える言葉は常にセールスの終盤に来るようにすると良い
何事も馬鹿で良い。しかも単純に。
メッセージを飾ったり何回にしたりせず、すんなり理解されるようにした方が良い
単純明快である事は、おそらく最も重要な心理的トリガーの1つだ。
物事を複雑にする傾向のある人は、ダイレクト、レスポンス広告のコピーライターには向かないのは当然として、セールスパーソンとしてもおそらく成功しない。
シンプルこそが販売成功への1ルートだ。
相手はもらった以上のお返しをしてくれる
あまりお金をかけずに見込み客に罪悪感やギブアンドテイクの必要性を植え付けるには、何を送ったり、あげたりできるかを考えよう。
説明やコメントをするときは、具体的でなければならない。なぜなら、具体的なほど信頼してもらえるからだ。
コメントが一般的すぎると、それは古代広告が、根拠のないただの宣伝文句と思われてしまう
具体性のあるコピーは非常に信憑性が高い
ダイレクトマーケティングでは、逆に広告の効果が高まるまで改良や手直しを続けることもテクニックの家だ。しかし、飽きたからといってキャンペーンを中止するような事は絶対にあってはならない
自分の名前を常にお客の目に触れさせるほうがいい
人はブランドネームや商品、また商品を販売している会社になじみがあれば買う可能性が高くなる
買い手と売り手の間にハーモニーがなかったら、どんなに説得力のあるセールスメッセージも伝わらない
まずは、お客に同意を流し、首を縦に振ってもらわなければならない
自分と似た商品を扱っている人がどんな方式で売っているかを探り出し、実証済みの法則色を手本に自分の売り方を決めるようアドバイスをしている
期待感を利用したセールスでは、注意点がある。それは信頼性だ。だが、それだけではない。とか、しかし、これから話す事はもっとすごい。という言葉を、3段落の最後に入れる
好奇心という非常に強力なトリガーを使えば、お客は普段しないことも必ずしてくれる。
目的を達成するためには、成功しているものまねも大切だ考えさせる力という心理的トリガーは、非常にさりげないが強力な考え方だ
セールストークをわかりやすくしすぎず、お客に頭を使わせることにより、結果的にあなたのメッセージに対する好印象を残すことができる
広告や販売で1番影響力のあるもの、つまり最も重要な心理的トリガーを1つ選べと言われたら、私は正直さを選ぶ。
日本人は言い訳や自己主張、断ることさえ下手だからこそ、それをしなくて良い配慮としても思いやる力は大切だ。
テクニックで儲けることができても、所詮お金が増えたに過ぎない。お客に感謝されてお金を増やすためには、この思いやる力が必要なのだ。

5.商品の紹介