1.今日の一言と紹介する本
散歩をするように心がけています。在宅の方も多いと思いますが、人混みを避けた、近所の散歩などは、健康にも良いのでオススメ。
コロナが長期化するからこそ健康には気をつけたいものですね。
それでは今日の書評『本田宗一郎 夢語録』をしていきます
2.本のサマリー
1906年(明治39年)に誕生。本田技研工業株式会社設立は1948年(昭和23年)のこと。誰もが知っている日本の名経営者、本田宗一郎。
本書は本田宗一郎の名言を212個集め、その背景を紹介しています。
激変するビジネスの世界で、その発言や功績を残すのが難しい中、今もなお多くのビジネスマンに尊敬され続けている本田宗一郎。
それまでの常識を覆し、未来を作り続けてきた経営者の言葉とは?
3.ポイント3点
設備とかそういうものは金を出せばどんなにも変わる。
ところが、変わらないのは考え方、いわゆる石頭だ。
資金の足りない分は知恵と労力で補えば良い
自力で階段を上ってきた者は、たとえ途中で失敗してもそれまでの基礎があるから次に飛躍することができる
4.岡崎の考察
本田宗一郎が創業した、昭和21年とはどんな年だったのでしょうか?
皆さんご存知の、第二次世界大戦が終了した翌年に当たります。もちろん体験はしていないので実際は分かりませんが、今では想像できないほどに大変な時期だった、ということだけは確かです。
そんな大変な時期に創業し、世界的な企業を育て上げた本田宗一郎の言葉は、今この時期だからこそ刺さるものがあります。そんな言葉の数々から、特に印象的だった言葉と背景をご紹介していきます。
ものは考えようだ。俺のためにこれだけ未知の世界が残されていると思えばかえってファイトが湧くじゃないか
ミュンヘンの科学博物館を見学し、入り口の大きな石の円盤の文字を見たときの本田の感想。まだ知らない技術が世の中にはたくさんある、自分の知らないものがたくさん残されている、そのことに期待をし、ワクワクしていた、そんな人物像が見え隠れします。
進歩とは残酷な一面を持っている。進歩はそれまでの習慣とか伝統とかを徹底的に破壊することだからである
何か新しいものが生まれたり、進歩したりすれば、それまでのやり方が通用しなくなる。当たり前のことが当たり前でなくなってしまう…
習慣や伝統を頼みに生きてきた人にとっては当然戸惑うことになるでしょう。しかし本田は、人間は進歩するために生きている、と考えていました。
進歩と破壊は背中合わせのです。企業にもフシ(節)がある。儲かっているときはスムーズに伸びていくが、儲からん時が1つのフシになる。このフシの時期が大切なのだ
事業を長く続けていると、良い時も悪い時もある。ときには、天変地異がみられることも、他の国の政変の影響を受けることも。しかし、それでも企業は生き続けなければならない。儲からない時こそその企業の基礎固めができると本田は言ったそうです。
自分だけの力で生きてきたというようなやつは大嘘つきだな。若者は他力本願を認識することによって大きく育っていくんだ
1人の力で大きくなった人間は1人もいません。親や家族、会社やその仲間に助けられるのが当たり前。歳をとれば、経験も積んで、自力本願が可能になるが、若いうちは他力本願でいいといいます。
人生100年時代ですから、50歳位までは若者だと思っても良いのではないでしょうか?素直に周りの力を借りるのも良いのではないかと思います。この時期、苦しいと感じている人にこそ読んで欲しい1冊。勇気をもらいました。お勧めの1冊です。