1.今日の一言と紹介する本
AIやロボティクスなど新しい技術がどんどんと台頭してくる今の時代。
私の書籍でもルールが変われば、頑張り方も変えなければならないと言うことをお伝えしていますが、世の中のルールが大きく変わろうとしていることに、お気づきの方も多いのではないでしょうか。
すでにある特定の分野では人間よりもはるかにAIの方が優秀になっているのが現在です。
そこで本日ご紹介する本は『ニュータイプの時代』山口周
今まであった価値観が大きく変わろうとしている今だからこそ求められている素晴らしい本でした。
今日はニュータイプの時代にどのように生きるべきなのかを私なりに解釈しお伝えさせていただきます。
2.本のサマリー
著者山口氏は慶應義塾大学文学部哲学科及び同大学院文学研究日を修了。
卒業後は電通、ボストンコンサルティンググループなどで戦略策定や文化政策、組織開発などに従事されていました。
また多数書籍を出版され、ビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞を受賞。幅広い活躍をし現代社会の移り変わりについてのまさにプロフェッショナルな人物であるといえます。
本書における1番のメッセージは、20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、オールドタイプと言われる人たちの価値の低下と、これからの時代に新しく必要とされるニュータイプとされる人たちの違いが何であるかを伝えると言う事でしょう。
そもそもなぜこのオールドタイプとニュータイプに分けなければならないのでしょうか?
それは市場主義社会のあり方が変わり、ものが溢れ便利になり、今までは多々あった問題がなくなってきた為、これまで第一スキルであった問題解決能力が陳腐化し、そもそもの問題を発見する力、問題発見能力が価値を高めていると言う背景があるという山口氏。
ニュータイプとして生きるためにどういったことが大事になるのかをぜひこの本で学んでみて下さい。
3.ポイント3点
問題の不足と言う状況は、そもそも私たち自身が世界はこうあるべきではないか、あるいは人間はこうあるべきではないかと言うことを考える、構想力の衰えを招いていると言うことなのです。
本物のイノベーターが、世の中の課題を解決することを目標にして仕事に取り組んでいるのに対して、手段に過ぎないイノベーションを最初から目指す偽物のイノベーターは、自分の価値を高めることを目標にして仕事に取り組んでいる。
役に立つで戦うとほぼ全員負ける。
役に立つより意味がある方が高く売れる。
4.岡崎の考察
私がこの本を読んで特に印象的だったのは、イノベーションに対する考え方です。世の中の多くの企業はイノベーションを起こすということを目的にビジネス活動をしているケースがあります。
しかし本来イノベーションとは作り出したビジョンに向かって必要な変化であり、イノベーション自体が目的ではないと言う事に改めて気づかされました。
本書の冒頭から提起されている問題点は、問題がそもそも少なくなり問題解決能力よりも問題発見能力のほうが価値があると言う状況は、本質的なところでは便利になったからではなく、人がビジョンを描かなくなり、惰性的に生きていると言うところがあるように感じました。
なぜなら役に立つものが世の中に溢れ、少なくとも生活の中で困った経験がほとんどない現代において、無理に新しいものを作り出さなくても困らないと言う現実があるからです。
こういった観点から思う著者が1番伝えたい本当のニュータイプは新たなビジョンを描き、ただ役に立つものではなく意味があるものを作り出せるリーダーを指しているのではないかと思います。
当然ですがビジョンを描くと新たな課題にぶつかり問題が発生していきます。そしてその問題を解決するためにはイノベーションが必要になることでしょう。
現在の目的と手段が入れ替わってしまったと言う状況に問題提起する素晴らしい1冊だったと思います。
5.気になるワード
しかし、この答えには科学的な裏付けが欠けています。
役に立つより意味がある方が高く売れる