書評

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

1.今日の一言と紹介する本

コロナが始まった際は、オンラインのセミナー開催に不安を感じていましたが、最近は、むしろ一人ひとりの顔がよく見えて、大人数でセミナーをやるよりもうまく使えば効果的な内容が作れそうな感じがしています。

何でもそうですが、制約条件が工夫を生みますね。そして、制約条件があるから面白い。何ができないかではなく、何ができるかを考えて動きたいものです。

それでは今日の書評『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』をしていきましょう!

2.本のサマリー

地頭は、本の読み方を変えるだけで鍛えられる!

地頭が良い人間の代表例として、多くの人は東大生を思い浮かべると思います。地頭ははじめから決まっている、強化できないものなのでしょうか?

本書の著者は、高三の時の偏差値は35。

さらに、東大はいくら頑張って知識量を増やしても合格できない大学で、最低限の知識をうまく活用できないと解けない問題がたくさん出題される。知識量ではなく、知識の運用能力、つまりは自分で考える力が問われる東大受験を合格したという強者。

受け身の読書から、能動的な読書に変え、知識を増やす勉強ではなく、考える力を身に付ける読書術とは?

3.ポイント3点

著者の結論、言いたいことが冒頭に来ることが多い

1つの意見にこだわらず、いろいろな角度から物事を考えられる人間の方が、学問をする上で成長できる

短くまとめられる=ちゃんと理解している

4.岡崎の考察

読む力と、地頭力が一気に身に付くと話題になり18万部を突破している話題の1冊。実はこの編集者、僕の中高の同期です(笑)一緒に酒を飲んでる時にそんな話になってびっくりしました。

これからの時代、地頭力、自分で考える力を身につけておくことはとても重要なことでしょう。

そこで今日は、知識を増やす勉強ではなく、考える力を身に付けるための読書方法という観点で書評をしていきたいと思います。

東大生は読解力があるわけではない。東大生は皆、地頭が良くて読解力があるから、文章がきちんと読めるのだろう。文章がきちんと読めるかどうかって、才能だよね。そんな言葉をよく耳にしますが、実はこれは間違いだそうです。単に才能があるから読めるとか、頭が良いから読めるということではないというのです。

文章外のヒントを吸収しておく
例えば東大生は、国語の長文読解問題などが出たら、長文よりも先に問題文を見るといいます。文章のリード文や文章のタイトルなどもチェック。そうやって読書を始める前に多くのヒントがある状態にしておきます。ヒントが多くあるから読んでいても理解がしやすい。読書をする時も一緒で、少しでも多くのヒントがある状態で読むようにしましょう。

たった2つの準備で、難解な本も読めるようになる
それでは少しでも多くのヒントを得るためのテクニックをお伝えします。

①カバーや帯に書いてある情報をしっかりと読みとる。
確かに、カバーや帯にはヒントがたくさんあります。この書籍の帯には、
早く読める、内容を忘れない、応用できると書かれています。

つまりこの3つの情報から推測されるのはシンプルで、早く読めるようになって内容が忘れず、その内容を応用できるようになるということ。(そのままやんけ!笑)
確かにその前提があって読むのと、その前提がなくて読むのでは情報の入り方が違うでしょう。違う言い方をすれば早く読みたいと思っていない人にとっては、無理して読まなくても良い一冊と読む前に無駄な努力を回避することもできるでしょう。

②仮説作りをする
仮説作りは全体としての読解のヒント、つまり文章全体の大きな流れを理解するのに役立ちます。完璧な地図を作る事はできませんから、ある程度の予測で結構です。しかし予測でもいいから全体像を描いていることで、迷わずに読むことができるようになるといます。

仮説の作り方は、次の4つのステップでおこないます。
1、ゴール地点を決める(何のために読むのか)
2、目標までの道筋を描く(どう論理展開するのか)
3、スタート地点を仮説する(自分の現在の状況は?)
4、実際に読み進めてみて、仮説と違うところが出たらその都度修正する

そして読み進めていく中で大事な事は、鵜呑みにせず、貴社のように取材をする気持ちで読むということだといいます。このほか様々な読書方法について書かれている本書。最近、読書方法の本がたくさん出ていますが、興味があれば参考になる一冊と言えるでしょう。

5.気になるワード

地頭力とは、素の頭の良さ、自分で考える力のこと
知識を増やす勉強ではなく、考える力を身に付ける必要がある
本と、とことん議論する
自動的に本を読むのではなく、本と対話、議論しながら、能動的に本を読みます
本や文章が読めない問題の9割は、準備不足
タイトルを読んでいるかどうか
ただ、本のカバーや帯の言葉をきちんと読んでいたかどうか。そんなささいなことで、この文章が読みやすいかどうかが分かれてしまう
東大生の多くは、国語の長文読解問題が出題されたら、長文には目もくれず、まず真っ先に問題文を見ます。
文章を読む前に文章のリード文や文章のタイトルなどもチェックします。こうして文章の外のヒントを吸収しておけば、文章のおおよその内容を想像することができます。
東大生は多くのヒントがある状態で文章を読み始めます。
東大生が文章を素早く、かつ正しく読解できるのは、読む力が優れているのではなく、文章の外からヒントを得る力があるから
カバーや帯に書いてある情報だけで、バッチリヒントが得られる
その本にどのようなことが書かれているのか仮説を立てて、自分がその本から何を学ぶのか目的をはっきりさせる
目標設定から始めることで、遠くまでいける。目標を高く持つというのはどんなことにおいても大切なこと。
スタート地点からではなく、ゴール地点から考えて行動する
本当に読解力を身に付け、本の内容を自分のものにするためには、読者ではなく記者にならなければダメなんです。本を読むのではなく、本を取材しなければならないんです。
読書している間に心の中で相槌を打ち、著者が目の前にいたら自分がどういう質問をするか考えながら読む
授業を見ているだけでは身に付かないように、本を読むだけでは本の内容は身に付きません。きちんと、本を理解しようと思いながら、行動しながら読まなければならない
単なる事実の羅列ではなく、著者が何に対して肯定的で何に対して一定的なのか、何を嬉しく思っていて何を悲しく思っているか、そういうことを知ることで、論理展開は拡大にお安くなる
情報を鵜呑みにせずに、自分の中で質問を考えて読解する。情報と知識は、違うもの。情報は、知識にしないといけません。その情報がどういう意味で、どういう手に立脚した情報で、何の意味があるのか。
そういったことを気にして考える過程があってはじめて、情報知識に変えることができる
質問ではなく疑問を持つことで、人類は進歩してきました。疑問とは1歩進むこと。
本を読む上で1番気をつけなければいけないこと。わかった気になってしまうこと。
どんなに部分が読解できても、要するに何なのかが理解できていない状態というのは、マクロな物の見方ができていない状態と同じ
短くまとめられる=ちゃんと理解している
著者の結論、言いたいことが冒頭に来ることが多い
どんな文章でもどんな本でも、最初から最後まで1本、骨になる主張が通っている。その骨になる人に、様々な身がついている。
著者が伝えたいのは骨であって、味ではありません。著者の本当に言いたいことを理解するためには、文章の骨に注目する。著者が言いたかったことをきちんと理解できて初めて、自分で考えることができる。
別の角度や別の視点、別の文章で出てきた、いわば未知の情報の中に、何度も見ている情報があった方が、海馬は重要な情報だと判断しやすい
1つの意見にこだわらず、いろいろな角度から物事を考えられる人間の方が、学問をする上で成長できる
自分の意見だけが絶対的に正しいとは考えていない
実は多くの議論というのは、そもそも言葉の定義自体が違っていることが多い
本とは、会話しよう。
自分が得るものが多い本を選ぶためには、その時の自分に合った方を選ばなければならない
理想的な選書とは、自分に今必要な本を選ぶこと。
今売れているベストセラーを選ぶのが1番賢い選択。
今売れているベストセラー=良い本だとは限りません。
しかし、売れている者には、つまり、良いと評価されている者には、絶対にそれなりの理由があります。
多くの支持を集める主張や意見が正しい、と言う気はありません。しかし、多くの支持を集める主張や意見を知っておく事は無駄にはなりません。
ベストセラーは今を知ることができ、次の本への道しるべにもなる
時代を超えて読み継がれている古典というのも、読む価値のある素晴らしい本
昔の作品だからといって学びにならないという事はなく、むしろ今の時代だからこそ読む価値があるという作品も少なくない
自分にとって読みやすい本ばかりを選んでいると、知識が偏ってしまいがちです。

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