1.今日の一言と紹介する本
『提婆達多』をご存知ですか?
人間ってのは弱いもので。
自分にとって都合の悪いものは全部なければ良いなんて思ってしまいます。
提婆達多と書いて「だいばだった」と読みます。
お釈迦様のいとこの方の名前です。
彼はお釈迦様の弟子でしたが、ある時からお釈迦様を憎み、殺しにかかろうとしたそうです。
しかし、それでもお釈迦様は提婆達多を許し受け入れたといいます。
2018年9月15日、女優の樹木希林さんが永眠されました。
今日ご紹介する『一切なりゆき 樹木希林のことば』は生前の樹木希林さんが残した言葉をまとめた一冊になります。
そして、樹木希林さんの人生はまるでお釈迦様のようで、都合の悪いことを排除せず受け入れて最後まで生きた方のように思いました。
生き方を考えさせられる1冊。今日はこの本を紹介します。
2.本のサマリー
樹木希林さんは言わずと知れた日本を代表する大女優。
1943年東京都生まれ。テレビドラマ「7人の孫」で才能を見出され、その後数々のドラマや映画などに出演。
61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身癌であることを公表。
2018年9月15日に亡くなり、享年75歳。
本書は樹木希林さんが亡くなってから残されている活字を再編集して紹介されている書籍になります。
若い時の樹木希林さんから始まり、結婚生活、女優、闘病中、などなど様々な側面からの樹木希林さんを追っています。
日本を代表する大女優が一体どんな人生を送ったのか、そしてどんな言葉を残したのか、それはきっとこれからの人生で一生役に立つことでしょう。
3.ポイント3点
予想外の連続よね。
楽しむのではなくて、面白がることよ。
楽しむと言うのは客観的でしょう。
中に入って面白がるの。
面白がらなきゃ、やっていけないのも、この世の中。
いろんな修羅場があっても人の責任にしない。
私の芝居のゆとりはどういうところから出ているかと言いますと、不動産を1つ持っているからではないでしょうか。
いつ仕事がダメになっても、家賃収入があるからいいや、と思ってやっているからだと思います。
4.岡崎の考察
さて、困った。
何しろこの本を読んで感じた事は、樹木希林という大女優は何しろ人の枠に当てはまらない。
普通と言う名の同調圧力に負けた平凡な生き方からははるかに遠い。
独特で、魅力的で、しかし泥臭い。
そんな中で私が樹木希林さんに感じたキーワードは、
・面白がること
・常に責任を持って生きること
・余裕を持って生きること
この3つなのではないかと感じました。
どんな局面にあっても面白がる努力をし、起きた現実をけして人のせいにせず、生きる姿に感動します。
しかし、なぜそれができたかと言えば不動産を持ち、いざ女優業がうまくいかなくなっても生活ができると言う安心から来るものだったと語っています。
そう考えると破天荒なようであって、とても考えられた戦略性の持ち主だったようにも思います。
もし自分らしく自由に生きたいと思うなら、保険のようなものも必要なのでしょう。
このことは我々も見習うべきことなのではないでしょうか?
5.気になるワード
予想外の連続よね。楽しむのではなくて、面白がることよ。
楽しむと言うのは客観的でしょう。
中に入って面白がるの。
面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中。
いつ仕事がダメになっても、家賃収入があるからいいや、と思ってやっているからだと思います。
だって同棲っていうのは、別れちゃったら嫌なものが何も残らないから。
その気楽さは、人生においては無駄ね。
そんな生ぬるい関係を繰り返しても人が成熟しない。
結婚生活を続けることも別れを決断することも、必ず嫌な事はつきまとう。
でもそういう経験が、生きていく上では大切だって思ってた。
自分勝手が1番良いんじゃない?