書評

営業は台本が9割

1.今日の一言と紹介する本

今日ご紹介するのは加賀田裕之先生の『営業は台本が9割』です。

それでは、紹介していきます。

2.本のサマリー

営業はセンスだとか、ちゃんとやれとか、営業は気合いだとか、いわゆる3K(気合、根性、カン)の指導では全く参考になりません。

あなたは、営業について体系的に学んだ事はありますか?

厳しい営業の世界をイメージする人はこんなイメージを持っているかもしれません。

・売れない部下は手に電話をガムテープでぐるぐる巻きにされて、何時間も経って、椅子に座れず、電話をかけ続けさせられる…
・目標未達の場合はひたすら罵倒され続ける…
・ストレスの激しい世界でパニック障害やうつ病になってしまう人が多い…

なぜこんな結果になってしまうのでしょうか…

その原因は、ズバリ営業台本ができていないから。

加賀田裕之先生が開発した、営業台本メソッド。
この営業台本メソッドを取り入れたことで驚くべき成果が!

・13年苦しんだ対人恐怖症営業マンが、セミナー後、前月比500%の契約獲得
・元キャバ嬢でも歩合給が月に300万円以上になった
・茶髪の23歳フリーターを、電話だけで月1億売る男に変えた

モンスター営業マン製造工場」の異名をもつ、加賀田裕之先生の台本営業メソッドとは!?

3.ポイント3点

営業台本を作成して、自分のものにするのが最短最速です。

人生を生き延びていくには、営業力が必要だ

お客様が、あなたの大切な人だったら?と想像して状況を理解してください。お客様の感情を理解できるはずです。

4.岡崎の考察

以前のきずな講演会にゲスト出演してくだった加賀田先生。
お話&本のセットで理解度がかなり上がりました。

講演会の中で台本作りをするメリットをお聞きしたところ、後輩にそのままプレゼントすることができるからとおっしゃっていました。
成約率が上がると言う事はもちろんですが、仕事を後輩に引き継ぎやすくなるというのは非常に価値が高いことですね。

台本作りのコツは、
①まずは作ってみること
完璧さを求めず、やってみることからスタート。
いきなり完璧なものを作ろうとすると先に進まないので、不完全でもいいから作ってみることが重要です。

②話し言葉で書くこと
実際の会話をイメージして、話し言葉で書くようにしましょう。本書の中でも話し言葉で対話形式の例文が載せられています。

③改善を繰り返すこと
実際に台本に基づいて話してみると修正箇所がたくさん見つかるはずです。何度も修正を繰り返すことで精度が高い売れる営業台本を作りましょう。実際どういった場面の営業台本を作ると良いのか。成約に至るまでのプロセスを整理するとこのようになります。

①人間関係を作る
②ニーズの深堀をする
③ウォンツアップをする
④テストクロージングをする
⑤提案する
⑥反論処理(反論解決)を行う
⑦クロージングする

少しわかりにくいところを解説します。
ウォンツアップ…願望を広げること。

(例) ダイエットの場合
もし自分の理想の体型を手に入れたらどんな気持ちになりますか?
理想の体型を手に入れたときにどんなことをしたいですか?
理想の体型を手に入れたときに周りの人はどんなリアクションをしてくれそうですか?

このような質問を通して、ダイエットをすると言うことにワクワクするような関わりをしましょう。

テストクロージング…事前の確認をする
(例)これから商品の説明をしようと思いますが、よろしいですか?
断っても良いので、この先の説明をお聞きになりますか?
などと、提案のステップに進む前に確認をしましょう。

反論処理(反応解決) …断られる理由を解消する

(例)そんなに必要ない、急いでいない、お金がない、高い、などがメインとなる断られる理由。これらが出てしまう原因はニーズの深堀と、ウォンツアップが充分でないから。反論が出るようなら、ウォンツアップとニーズの深堀に戻って改めて関わり直しましょう。

営業の教科書のような一冊。非常にわかりやすくためになりました。
営業力をあげたいと思う方はぜひ読んでみてください。

5.気になるワード

営業台本を作成して、自分のものにするのが最短最速です。
営業台本とは購買心理に基づき、お客様の欲しいを自然に引き出すプレゼンの脚本のことです。
人生を生き延びていくには、営業力が必要だ
営業の極意は、一言で言うと、クロージングよりニーズの深堀です。
ニーズの深掘りを知ることで、成約率が数十%上がります。
よくセミナーや書籍などで、私は成約率99%ですと言っている人を見かけますが、それは何かおかしいこと(不正)をしているか、または見込みの基準が甘すぎるかです。
まずは成約率の目標を決めましょう。
人が物を買うには、買いたくなる原理原則がある
反論が来て当たり前だと言う心構えを持ち、反論解決(反応処理)の用意をしておきましょう。
反論解決のステップ
①質問する→検討の状況を明らかにする
②共感し、褒める→営業マンの話を聞く態勢を作る
③提案する→わかりやすいメリットを感じる提案
④明確な理由付け→明確な理由で納得してもらう
反論解決(反論処理)のゴールはお客様に安心だと思ってもらうことです。
人間関係構築について
医者と患者のような関係性を目指そう
お客様の立場で考えれば一目瞭然ですが、自信がない人からは誰も開拓ありません。
売れない営業マンは自信がないから売れない。売れないから自信がない。まさに負のループです。
人間関係構築のポイントは次の2つです。
①顧客の状況(立場)、感情(動機)を理解する→感情理解力
②自分を顧客の立場に置き、感情を分かち合う→感情入力
お客様が、あなたの大切な人だったら?と想像して状況を理解してください。お客様の感情を理解できるはずです。
自分を顧客の立場に置き、感情を分かち合う
ラポールには、3つのレベルがあります。
レベル1、相手のために
レベル2、相手と一緒にいる
レベル3、相手と一体化している
人間関係を構築するための雑談は、とても重要です。
雑談の目的は、
①相手をリラックスさせる
②信頼関係を構築する
の2つです。
雑談で営業マンのレベルがわかってしまう
営業のことわざで、信頼関係を築く例えをお客様とダンスを踊ろうといいます。
意図的かつ戦略的にお客様と動作を合わせることで、気持ちを通わせるという営業手法はとても有効です。
ペーシングは、電話営業では必須のスキルになります。
①話し方
②状態
③呼吸
④感情
⑤考え方、信念
に合わせることです。
オウム返しの注意点としては、ホットボタンで感情移入するということです。ホットボタンとは、行動する、真の動機、第一の理由という意味です。
ニューロロジカルレベル
①自己認識…あなたのミッション、ビジョン、自分が何者であるか
②信念、価値観…あなたの信念や価値観
③能力…あなたの才能、能力
④行動…あなたの行動、振る舞い
⑤環境…あなたの前の環境、見えるもの、聞こえるもの、感じていること
相手の自己重要感を高めたい時、どのレベルに対しアプローチするかが大切です。
自己認識や信念を褒められると嬉しい
ニーズの深堀り7つの原理原則
①お客様の痛みを自分の痛みと感じる
②掘り下げの基準はお客様の決意が確認できるまで
③ニーズの深堀は、人間関係が築けていないと難しい
④ニーズの深堀→ウォンツアップの順が絶対
⑤嘘は言ってはいけない。自分に跳ね返ってくる
⑥セールスの目的はお客様を万が一から守ること
⑦一方的な説明では心を閉ざす。引き出すことが肝
小さな故障では人は直りません。大きな故障にしてあげないと人は動かない
成約率を高めるには、相手の心理状態を言葉以外で認識する、キャリブレーション能力を高めることです。相手の状況を理解、感じることが重要なのです。
ウォンツアップのポイント
①うまくいった姿をイメージしてもらう
②トークの順番を守る
③WHYに焦点を当てる
トークの順番は、ニーズの深堀→ウォンツアップが鉄則です
テストクロージングしてから、商品説明に入るのが、正しい順番です。
テストクロージングがないクロージングはただの押し売りになってしまいます。
もし必要なければ断っていただいて結構です。お話、お聞きになりたいですか?
AとB、どちらがいいと思われますか?というように選ばせるクロージングをすることで、お客様にも営業マンにもストレスなく契約へと導いていくのが、最新のクロージングテクニック
契約書や申込書にサインをいただく時、お客様にペンをお渡しするというクロージング技法です。お客様がペンを受け取れば、承諾したことになります。
反論解決は必ず想定しておく
反論に共感し、褒めることで、心を開いてもらい、聞く姿勢を作る
想定できる反論の種類
①そんなに必要ない
ニーズの深堀不足
②急いでいない
事前にテストクロージングをしっかり行いましょう。
③お金がない
ニーズの深堀に戻り、お客様に、緊迫感を感じさせ(緊急度、今すぐ)を、費用を払うのも構わない(重要度、本気で)と決意を促す
④高い
高いとは、提示された商品サービスが価格に合っていないという意思表示の可能性があります。
商品の特徴を伝えるのではなく、商品のメリットをわかりやすく印象的に伝える
お客様が心底納得されて、簡単に実行できる理由付けをしないと、一時的に感情が盛り上がって契約したとしても、後ほどキャンセルする可能性が高まる
営業の成約率を80%以上にするためのポイントは3つ
①購買心理を理解する
②売れる営業台本を作成する
③フィードバックを受けて改善し続ける

6.商品の紹介