書評

超一流 できる人の質問力 人を動かす20の極秘テクニック

1.今日の一言と紹介する本

講演会の仕事をしていると特に、言葉の使い方の大事さを体感することがとても多いです。

ちょっと聞いた面白い話なんですが「お〜いお茶」ってもともとの商品名が何だったかご存知ですか?

なんと答えは「缶入り煎茶」。

おそらく全く知らないのではないでしょうか。
なぜなら名前を変える前は全く売れなかったから。
言葉1つでこんなにも結果が違うんですね。

今日ご紹介するのはそんな言葉の大事さをいつも考えさせてくださる安田正さんの一冊『超一流 できる人の質問力 人を動かす20の極秘テクニック』をご紹介していきましょう。

2.本のサマリー

ただ、質問しただけなのに…

・相手が黙りこくって下を向いてしまった
・あなたと話すのがめんどくさそうにしている
・相手が急に無愛想になった

そんな経験、誰にでも1度や2度あるのではないでしょうか?

質問を制するものは、人生を制す」ロングセラーとなり売れ続けているビジネス書、超一流の雑談力の安田正さんの一冊。
安田さんは、早稲田大学グローバルADKションセンター客員教授であり、ロジカルコミニケーション、プレゼンテーション、対人対応トレーニング、交渉術などのビジネスコミニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活動しています。

相手に大いに話してもらい、相手から情報を引き出すことで、質問している側の方が会話のイニシアチブを取れるのです。

話す側よりも、質問する側の方が会話のイニシアチブをとっている。であればどのようなケースで、どのような質問をするのが適切なのか。
本書では様々な場面でどのように質問すると適切なのかを20のケーススタディーという形で紹介しています。

相手の反応が、驚くほど変わる質問力とは?

3.ポイント3点

ビジネスの成功も、プライベートでの幸福も、ほとんど質問の仕方1つにかかっていると言って過言では無いわけです。

メリットの定義は人それぞれなので、一方的な思い込みから相手にメリットのない話を押し付けるのは禁物

質問によって人を動かしたいなら、太陽のように、相手にじんわりと寄り添うこと。決して北風のように力で制圧しようとしてはいけません。

4.岡崎の考察

今回は良質な質問とはどういったものであるかという観点から書評させていただきたいと思います。

①相手が回答したくなる姿勢でいる
本書の中でも、情報がどのように伝達されているかのリサーチ結果である、メラビアンリサーチが紹介されています。
言語 7%
音調 38%
見た目、雰囲気 55%
安田さん曰く、特に日本人は見た目や雰囲気を重視する傾向にあり55%以上に影響力があるんではないかと話をしています。
偉そうな態度、物腰になっていないか、声のトーンは適切であるか、清潔感のある服装をしているかなど、相手が答えたくなる自分になるように入る必要があるでしょう。

②相手の立場を尊重している
・相手の地位(立場)をリスペクトする
・相手が喜ぶ呼び方を見つける
ポイントを3つに分けてご紹介していますが、どれも主語は相手です。つまり自分にとってどうかよりも、相手にとってどうかということをどれだけ尊重しているかということが大切な要点の1つです。

共通の話題などがあると、そのことについて掘り下げたくなるものですが、そこにも気をつけなければいけないことがあります。それは、人とは往々にして、同じ経験をしたことのある相手が、自分と同じ結論に至っていると思い込んでしまうということ。

例えばイタリアに行ったことがあるという共通点があったときに、自分はとても楽しかったとしても、相手はスリにあったとか、事故に巻き込まれたなどということもあるわけです。
自分の答えを念頭に置いて、質問をするのではなく、相手は自分とは違う体験をしているかもしれないということを念頭に置いて質問するようにしましょう。

③相手が答えやすい質問をしている
例えば契約が取れない後輩に指導するときにこういった質問を投げかけていないでしょうか?

なんで契約取れないの?

こういった質問を、ごちゃ混ぜ質問と呼んでいます。
なぜならば契約が取れないと言う結果に至るまでのプロセスがたくさんあるからです。
アポイントメントの数が足らないのか、
リストが足らないのか、
商品の魅力を覚えられていないのか、
お客様のメリットを訴求できていないのか、
など契約が取れない原因はいくらでも細かく分解することができるんです。

ですから相手が質問に答えやすいように、細かくピンポイントな質問を用意すること。
そして「なぜ」を繰り返すと、責められてるような感覚になるので、どんどん答えにくくなっていきます。なぜなぜ君にならないように気をつけましょう。

質問力について具体的なケースがいくつも紹介されているので理解しやすい一冊になっていると思います。

質問力を磨く必要があると感じている方はぜひで見てくださいね。

5.気になるワード

聞き方が良ければ成功、悪ければ失敗です。
ビジネスの成功も、プライベートでの幸福も、ほとんど質問の仕方1つにかかっていると言って過言では無いわけです。
なぜ質問にはそれほどの影響力があるのでしょうか。
理由の1つは、聞く側こそが会話の流れを作るからです。
質問をされて、嫌な気分になる人はあまりいません。人間は話している時の方が楽しいからです。
相手に大いに話してもらい、相手から情報を引き出すことで、質問している側の方が会話のイニシアチブを取れるのです。
質問を制するものは、人生を制す。
答えることのできない質問をされると、相手は自分を否定されたように感じてしまう
質問の上手い人は、質問を細かく分割します。
相手の地位(立場)をリスペクトする
相手が喜ぶ呼び方を見つける
なぜを安易に繰り返す、なぜなぜさんは、相手にとんでもないストレスをかけてしまうことがある
高い声の場合は、話す人のキャラクターを社交的に感じさせる効果があります。
低い声の場合、渋い、かっこいいというイメージに加えて、相手に信用されやすいというメリットもあるのですが、その反面、威圧的、とっつきにくいという印象を相手に与えてしまうというデメリットがあります。
いきなりミスを指摘せずに、ニュートラルな質問から入ること
質問は、相手が受け入れやすい順番で
市長と質問では、質問の方が人を動かす強い力を持っている
質問によって人を動かしたいなら、太陽のように、相手にじんわりと寄り添うこと。決して北風のように力で制圧しようとしてはいけません。
コミュニケーションにおいて相手の目を見て話すのは基本中の基本。
コミュニケーションにおいては表情は言葉以上に重みを持ちます。
正しい敬語と正しい言葉選びが必須
的外れな質問をするとあなたの価値が下がる。
的外れな質問をしてしまうのは、つまり勉強不足が原因。
安易な気遣いや共感は余計なお世話
嫌なことや、気にしていたことを質問されるのは、聞く方が思っている以上に、相手にとって精神的な負担になります。
明らかにめんどくさそうな場合、それ以上突っ込むのは厳禁
売れる商品のネーミングには、ある程度のセオリーがあります。もちろん確実に売れるなんて事は誰にも言えないわけですが、読みにくい漢字や、よくわからないカタカナ語は使わないのがお約束。
質問の語尾をしっかりあげましょう
人とは往々にして、同じ経験をしたことのある相手が、自分と同じ結論に至っていると思い込んでしまう
お互いの共通点を見つけたとたん、その話題に飛びついてしまう人は多いのですが、特定の視点(主観)を前提とした質問は避けた方が無難
自分の主張を裏付けるために、都合の良いロジックや定義を持ち出してくる人間に対して、日本人は何となく不安を感じ、本音を見せなくなる
定義を含んだ質問というのは、形の上では質問でも、実際には価値観の押し付けになってしまっている
メリットの定義は人それぞれなので、一方的な思い込みから相手にメリットのない話を押し付けるのは禁物

6.商品の紹介