書評

マイクロソフト 再始動する最強企業

1.今日の一言と紹介する本

日々、新しいことに挑戦したいと思っています。

以前、私の友人で様々な企業研修を請け負う凄腕のコンサルタントの方のセミナーへ。

テーマは「自分の取説

とても興味深かった事は、メタ認知、つまり客観的に自分を認知することができるとそれだけでメンタルが安定し、生産性が向上し、いざというときにも強くなるというデータが出ているということ。

以前ご紹介したインサイトにも同じようなことが記載ありましたから、納得いくことばかり。自分についてちゃんと知っていく、それってとても大事なことですね。

ちなみに岡崎は、どうやら社交性は低そうです(笑)

コミニケーションについてもあまり上手ではないという先天的な特性を持ってそう。

納得です…笑

それでは今日の書評『マイクロソフト 再始動する最強企業』をしていきましょう。

2.本のサマリー

創業40年経った今、株価最高値を記録!よみがえった世界の巨人、Microsoft

GoogleやFacebook、アマゾンなど新興企業の台頭で、もはや古い会社だと思われていたMicrosoft。しかし、これで終わりではなかった。

2015年秋、Microsoftは創業から40年目にして、株価で最高値をつける。さらに2018年6月末時点で株価は100ドル。これは、最高値をつけた2015年秋の約2倍にも達している。

創業当初、すべての過程の全てのデスクにPCを普及させることを目指していたマイクロソフトが、創業から40年。

2014年の時点では、全盛期が過ぎ去ったなどと表されていたマイクロソフト。

終わったと思われていた会社はなぜ復活できたのか?世界最大のソフトウェア会社はいかにして変わったか。どんな革新的な未来を作ろうとしているのか。これから、どんなことが起こっていくのか。

ブックライター上阪徹先生による取材からできた一冊。

3.ポイント3点

ミスを犯したら、そこから学べば良い。リスクを取ってうまくいかなかった場合、それを責めるのではなく、教訓を得たと言おうじゃないか。

働く場所や時間にこだわる必要がなくなれば、解決できる事はたくさんある

クリエイティビティー、創造性で大事な事は、作り出したいという意欲を持つこと

4.岡崎の考察

現実とデジタルが融合して新世界の扉を開いていく…

時代の進み方はとても早いですが、すでに網膜の中に直接デジタルの映像を映し出し、リアルと融合させて生活ができるようにするという技術が形になりつつあるそうです。

学校の授業は、教科書で文字を読むのではなく、VRによって実際にものを見て、リアルに体験しながら学んでいく。研修の形も大きく変わる。

例えば飛行機の整備も、実際の飛行機と同じものをデジタルの世界で見て、実際に触れていくことができる。まるでSFのような世界が実際に目の前に来ています。その中心的企業の1つになっているのがMicrosoft。

一体どのように世界の巨人は蘇ったのか?

大きくポイントを4つにしてご紹介します。

 

①ミッションの再設定
過去設定した会社のミッションは「全てのデスクと、全ての家庭に1台のコンピュータを」だったMicrosoft。
今では当たり前のことですが、30年以上前の当時にして、そんなことできるはずがないと言われるような野心的なミッションだったといいます。

そして、時代が変わって現在。新しいミッションは「世界中の全ての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること

時代や状況に合わせたミッションの変化は、企業が向上していくために必要な変化の1つとなります。

 

②文化の作り直し
もっと会社としてリスクを取らないといけない。成長のためにマインドを変えないといけない。

だから、リーダーの皆にはリスクを取ってくれることを期待している。

自分にできることをもっと考えないといけない。変わらないといけない。能力は、自分が思う以上に持っている。それを利用すべきだ。

ミスを犯したら、そこから学べば良い。リスクを取ってうまくいかなかった場合、それを責めるのではなく、教訓を得たと言おうじゃないか。

成長マインドに変えていく。成功は成長の果実という格言にもありますが、成長が先、成功は後。

結果を求める事はもちろん大事ですが、それ以上にそのプロセスにおいて会社や個人が成長しているか。そのために必要なリスクを取っているか。もし失敗してもそれを教訓に変えているか。単なる成果主義の殺伐とした企業ではなく、血の通った組織にしていくために成長マインドは欠かせないものでしょう。

 

③脱自社製品主義
アップルは敵ではなくパートナー。脱Windowsでコラボレーションする会社へ。
これまで一家に1台、Windowsが各家庭に広がることを優先していたが、それをクラウドによるビジネスモデルに変えたという。つまりどの端末からもアクセスすることができ、たくさん使ってもらうことが可能になるサービス。

より多くの人に使ってもらうということを念頭に置くと、自社製品主義から出して、競合の技術を自分たちの製品とコラボレーションさせていく必要があったといいます。

これからの時代は独占の時代ではありません。他社といかに協業していくかは重要なポイントです。

 

④リーダーの出現
サティア・ナデラCEOの変革で、ドラスティックに会社が変わっていったという。

日本法人のスタッフはこのように語っています。
「驚いたというか、感動しましたよね。1人のリーダーの思いで、これだけのものが変わった。それは本当に凄いことだと思います」

「1人のリーダーの声が、これだけの組織とビジネスモデルを大きく変えた」

ではどのように変革を起こしていたのか。

そのための重要な要素は過去を否定しなかったことだといいます。何か変化を起こそうとするときに、真っ先に過去を否定してしまいがちです。しかし過去を否定するのではなく、過去の良かったことを受け入れ、そしてより良い方向にシフトしていくという考え方。過去との相乗効果を狙っていくというのはとても大事なことですね。

もし皆さんが今自社の変革を望むなら、Microsoftほどの大企業がどうやってここまでの変革を起こしたのかはきっと役に立つことでしょう。

とても勉強になる1冊でした。

5.気になるワード

人の生き方にまで遡ってMicrosoftに期待されるサービスとは何かを考え、最適の組織に作り替えようとしている
20年間にわたって世界の時価総額ベスト5に入っている
求められていたのは、どんな未来になっていくのかということを、勇気を持って定義していくことだった
変わることが良いとか、変わらないといけない、というよりも、こういうあるべき姿があるよね、そこにはなかなか到達できないけど、既にその姿に向かってやっていこう、という姿勢なんです。
自社のアイデンティティを見直す。文化は戦略を上回る。
会社を変えるには、まずカルチャーを変える。
もっと会社としてリスクを取らないといけない。成長のためにマインドを変えないといけない。だから、リーダーの皆にはリスクを取ってくれることを期待している。自分にできることをもっと考えないといけない。変わらないといけない。能力は、自分が思う以上に持っている。それを利用すべきだ
ミスを犯したら、そこから学べば良い。リスクを取ってうまくいかなかった場合、それを責めるのではなく、教訓を得たと言おうじゃないか。
アップルは敵ではなくパートナー
脱Windowsでコラボレーションする会社へ。
脱自社製品主義によって、新しい可能性が開けてきた。
わかっているからこそ、もっと学習しなければいけない
今はどんなソリューションをお客様に作れるか、どんな問題を解決できるか、協業していく意識が強い
この世界をみんなが変えようと言っている。しかし、誰1人として自分が変えようとは言わない。
トルストイ
環境が変化しているのに、自分たちが変化していかないのでは変化に対応できるはずがない。同じような働き方に縛られていたら、変化にはついていけないのだ。
こういうことができなければいけないと言うよりも、こういうマインドで仕事しなければいけない、という意識を変える
最も効率の良い働き方を自分で判断すればいい
働く場所や時間にこだわる必要がなくなれば、解決できる事はたくさんある
1人のリーダーの思いで、これだけのものが変わった
変革の成功は過去を否定しなかったから
過去との決別ではなく、いかに相乗効果を生むか
AIの民主化とはどういうことかというと、お金持ちの企業でなければ使えないようなAIにしないということ
クリエイティビティー、創造性で大事な事は、作り出したいという意欲を持つこと
どうすれば少ない人数でたくさんの仕事ができるのか、という取り組みを続けていたら、見え方として働き方改革になっただけ
働き方を変えることが目的ではない。少ない人数でたくさんの仕事をするための手段

6.商品の紹介