1.今日の一言と紹介する本
以前、カルロス・ゴーンさんがだいぶメディアを騒がせました。
国外に逃亡しちゃだめでしょ、と思うところもありますが取り調べのひどさに関しては知れば知るほど同情してしまうところ。
いったい真実はどこにあるのでしょうか…
脱税についてよしとするのは当然ありませんが、日産を大復活させた功績まで忘れてはならない、個人的にはそう思っています。
そんなところから今日ご紹介したくなったのは『田中角栄 100の言葉』
ちょっとダークなイメージもありますが、実際の田中角栄という政治家はどういった人だったんでしょうか?
ご紹介していきます。
2.本のサマリー
田中角栄は、言わずと知れた日本の政治家。
日本の高度経済財政長期に活躍し、日本を支えた1人であり、近年改めてその功績が見直されている政治家の1人。
1972年には内閣支持率70%の支持を集め総理大臣に。最終学歴は小学校卒という総理大臣は非常に稀でしょう。
ロッキード事件等、ダークなイメージもあれど、田中角栄に影響受けて政治家として大成した人も数知れず。
一体どんな人の関わり方をしたのか?
「やれ!責任はワシが取る!」などは非常に有名な一言。
本書では田中角栄の人との関わり方、どんな言葉をかけてきたのかを100の言葉としてまとめています。
やる気を引き出す天才、心に残る田中角栄の名語録とは!?
3.ポイント3点
仕事をするということは文句を言われるということだ。
褒められるために1番良いのは仕事をしないこと。
世の中には働いてから休む人と休んでから働く人がいる。
俺が上京する時、お袋がこう言った。
お前は働いてから休む人になりなさい。
どうせ苦労するのであれば、やりがいのある苦労をしなさい。
4.岡崎の考察
小学校までしか出ていないという事が劣等感になりそうなところですが、田中角栄の凄さはそれを武器として扱えたということです。
学問とは志を持った人間がいつでも学ぶことのできる生きるための知恵だ。
学校で何を学んだかよりも、学校を出た後に、一体何を学びどんな力をつけたのか、生きるための知恵として要るのかということを大事にしていたようです。
優れた指導者は人間を好き嫌いしない。
まさに優れた指導者であった田中角栄。たとえそれが政敵であったとしても決して嫌う事はなく、政治は政治、人は人とはっきりと分けていたというからすごい。敵に塩を送るという言葉がありますが、田中角栄にとっては、そもそも敵という概念ではなかったのでしょう。
そして、一人ひとりをとても大事にしていた角栄。会った人の名前はほぼ全員覚えているというからすごい。
名前で呼ばれることほど嬉しいことはないでしょう。
1番大切なのは、何よりも人との接し方だ。それは戦略や戦術と違う。人間は歳に関係なく、男でも女でも好きな人は好きなんだ。
田中角栄が大事にしていた事は、人間は体験したことを信じるということだったようです。米農家の現実は、田んぼに入ったものにしかわからない。逆にわかるはずがない、と米行政の問題点を指摘。
実際に選挙にもなると、地元新潟のあぜ道に入り、農作業中の人たちに辻説法をしていたと言う。
あの田中角栄にそこまでやられてしまっては、好きになるしかない。そういった泥臭さが田中角栄の圧倒的な人気を支えていた原因でしょう。
ロッキード事件の被告としてメディアから総攻撃を食った時でさえ、選挙で再当選することができた田中角栄。これほどの人気を支えた原因は、泥臭さと、親しみやすさ、そして強力なリーダーシップにあったのでしょう。
これから経済的成長を遂げていくためにも改めて田中角栄の功績に学ぶ必要があるのではないでしょうか。
5.気になるワード
褒められるために1番良いのは仕事をしないこと。
お前は働いてから休む人になりなさい。
本当に勤労をしながら育った人は人生に対する思いやりもあるし人生を素直に見つめる目もできてくるわけであります。
どうせ苦労するのであれば、やりがいのある苦労をしなさい。
ただ、これ見よがしにお礼に参上したとやってはいけない。
相手が困った時、遠くから、慎み深く返してやるんだ。
足を切断しなくちゃいけない人には今日、お切りなさいときっぱり言う。半端な治療をして足を腐らせてしまうようなことはしない。
しかしその出来損ないを愛せなければ政治家は務まらない。