1.今日の一言と紹介する本
この書評は超ライトなところから、意見の分かれるディープなものまでちゃんとご紹介できればと思っています。
今日は先に正直にお伝えしておきます。
あまり気分の良い書評ではありません。
先日はギャグマンガをご紹介したのもあって今日は真面目な本で行こうと思い悩んだ末の1冊。
いかにも差別的なニュアンスを感じるこの1冊。
おそらく嫌いな方もいらっしゃると思います。
意見が分かれる書評になると思いますので、正直嫌だなと思う方は無理して読まないでください。
ご紹介していきましょう。
2.本のサマリー
著者、橘玲さんは、『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で、2017新書大賞を受賞。
こちらの本を読まれた方もいるかもしれませんが、かなり酷評された現実に気分がネガティブになった方も少なくないでしょう。
ただし都合の良い情報ばかりで本当に良いのでしょうか?
時として厳しい現実を知る必要もあるでしょう。
『みんなうすうす気づいている、言ってはいけない、分断の正体』とサブタイトルがつけられている本書。
格差社会はどのように出来上がっているのか
そのことを最近できた上級国民、下級国民と言う言葉から広げて解説をしています。
どうやらこの上級国民、下級国民と言う言葉はネットスラング、ネット上で使われていた言葉だったようです。
それが気がつけば一般化されていったといいます。
今の日本が2極化してしまっている原因は一体何なのか?
やっぱり本当だった不都合な真実を覗いていきましょう。
3.ポイント3点
最低賃金引き上げが雇用を減らすかどうかは経済学者の間でも議論が続いていますが、若者の雇用にマイナスの効果を及ぼすことについては確固とした合意が形成されています
平成の30年間を一言でまとめるなら、日本がどんどん貧乏臭くなった。
現代社会で生起するあらゆる現象の根源にあるのは産業革命から始まった知識社会化です。知識社会化における経済格差とは、知能格差の別の名前でした。
4.岡崎の考察
本書の要点をまとめるなら格差社会の原因は知能格差によるものだと言うことになります。
そしてその傾向性は広がっていき、低学歴の人はどんどん下級化していく。さらに日本はどんどん生産性が下がっています。そのため今後さらに貧乏くさい日本になっていくと言うのが橘さんの主張です。
さて、一瞬本題からは脱線してしまいますが、より読書に価値付けする方法は何だと思いますか?
著者と対話しながら読む方法です。
つまり本に書いてあるから全て正解だと鵜呑みにせず、疑問を持ち、議論を交わしてみるというのも面白い読書の仕方ではないでしょうか。
この書籍を読んでいて、おそらく橘さんは人間は愚かで、性悪説的に生きていると言う立場をとっているように感じました。
例えばこのように主張しています。
教育の本質は上級、下級に社会を分断する、格差拡大装置である
人類史上未曾有の繁栄の影では余分な人たちが廃棄処分場に送られ、リサイクルされ、ゴミの山にポイ捨てされている
ただ僕は全く逆の立場をとっています。
人間困れば対処するし、そんな愚かなことばかりするわけではない。
さらにいざとなれば人が人を助けると言う性善説的な行動を取れる人もたくさんいます。
もちろんその事は橘さんもよくわかって書いてらっしゃると思いますが、書籍である以上立場を取りきる必要があります。ですからかなり厳しめに書いているのでしょう。
(もしかしたら本音はもっと厳しいのかもしれませんが、、、)
実際私がビジネスにおいてメンターとしている方は高校を中退しています。世の中には意外と学歴によらず成功している方も多々います。
ではなぜ学歴がなくとも成功することができるのでしょうか。
その理由は、今の世の中は社会に出てからどういった努力をするかによって大きく結果が異なってくるからです。
ちなみに先日ご紹介した『やってはいけない勉強法』の中で、自己投資の投資効率は年率18%と紹介されていました。
大学を卒業するまでにかかるお金が2000万円とすると18%で、年収が360万円になる計算です。
ですから社会に出た後も変わらずに自分に投資をし続け、学び続ければいくらでも収入を大きくし、チャンスを掴む可能性はあるのです。
しかしながら最もネガティブな状況を想定することもとても大事な戦略の1つです。
日本の不都合な真実を数字に基づいて知りたいと言う方はぜひ手に取ってみてください。