1.今日の一言と本のサマリー
日本は少しずつ、確実に貧しくなっています。それでも平成の時代は昭和の遺産を食いつぶしてように生き長らえることができました。しかしそれでは令和の時代にはますます厳しさが増すばかり。
そこで今日はこれを食い止める1つの方法として、『教養としての投資』をご紹介します。これまで多くの日本人は、労働者の思想しか持っていませんでしたが、しかしその思想では、もう未来がない。一人一人が、投資家の思想を持つことが必要だと著者は論じています。投資を知らなければあなたは一生奴隷のままだ。ご紹介していきましょう。
2.ポイント3点
投資は知の格闘技です。投資で成功するには、ビジネスに必要な知識を総合的に高めていくしかありません。
世の中のおいしい話はほとんどすべて投機か、最悪の場合は詐欺です。
株式市場は、短期的には人気投票の場に過ぎないが、長期的に見れば価値の計測器として機能する
3.岡崎の考察
なぜ今、投資が必要なのか?その理由は大きく2つあります。
①日本経済が先行き不透明であること
②投資、特に株式投資をすることでビジネスに必要な教養を身に付けることができること
本書では不動産や、FXといった金融商品ではなく、株式投資をすすめている内容となります。では株式投資をするとどんなメリットがあるのか。本書の要点をまとめていきましょう。
①日本電産の森永社長に働いてもらう
日本電産の森永社長は当然日本を代表する経営者の1人です。そんな人を働かせる事は難しいと思うかもしれませんが、考えようによっては不可能ではありません。それが株式を持つということ。つまり、日本電産の株を持つことは、日本電産を雇い、働いてもらい、その利益を1部配当してもらうということになります。
同じ株式資金を投じるにしても、ただ漠然と買って持つのと、このように考えながら持つのでは大きな違いがあります。あの会社の社長の株式を買うことで、雇ってみるのも面白いかもしれませんね。
②人生100年時代の一番の投資先
現場の雇用制度では通常65歳程度が引退の目安となるでしょう。65年間の間利益を生み出し続ける大事な投資先、それが自分です。収入の少ないうちに投資をしてしまうと、元本が少なく、なかなか大きな利益を上げることができません。しかし自己投資をして自分を成長させると、当然ですが収入が上がり、一番確実にリターンを増やすことができます。
30半ば位まで自己投資し、自分自身という金融資産を積み上げていきましょう。時間、労力、お金という資産、リソースは概ね交換可能です。
君がバイトで得られるものは1時間あたり1000円だろうが、その1時間を英検1級を取ることに費やし、クリアしたなら、君のバイト料は3倍以上に跳ね上がるよ。単純に時間をお金に変えるよりも、自分の能力を上げることに費やした方が価値が高いでしょう。
③投資と投機の違いを知る
多くの日本人が行っているのは残念ながら投機です。では投資と投機は何が違うのでしょうか。
・農業に例えて考えると次のようになります。
農地を持って利益を得ようと考えます。多くの人は、作物を育て売ろうと考えるはずです。これは投資の発想です。
・投機の発想は次のようになります。
この農地をいかに高く売るか。継続した利益を乱す投資という考え方と、上がるか下がるかのギャンブルで稼ぐことを考える投機では全く考え方が違うのです。
④投資を行うなら売らなくて良い会社しか買わないこと
投資で有名なウォーレンバフェットは5年間は凍結させるつもりで株式を買うといいます。つまりこれは5年以上長期的に投資をすると言っているわけです。ではどういった会社が5年以上凍結しても良い会社として選ばれるのでしょうか。
1.高い付加価値がある
例えばディズニーは誰もが知る高い付加価値がある会社です。それは単にディズニーランドだけにとどまりません。映画やアニメ、贈り物。グッズ販売まで含めたらどこまでも広がるでしょう。つまり幅広く喜んでもらいたいという付加価値があるのです。
2.高い参入障壁がある
例えばコカ・コーラはそれに該当するでしょう。なぜならコカコーラほどの工場、流通経路を抑えるのは非常に難しく、今からコカコーラに勝つ事はとても難しいからです。他社が後から参入しにくいモデルを考える必要がビジネスに強い企業といえます。
3.長期潮流で見る
30年、50年たっても変わらずに利用し続けられる可能性が高いサービスを指します。短期的に今これが増えているという観点ではありません。ブームを追う会社は、ブームと共に去っていきます。長期的なスパンで活躍できる企業に投資しましょう。楽して儲けようとか、簡単に稼げるといった内容ではなく、本質をついた好感の持てる内容でした。
投資に迷ってらっしゃる方、手に取ってみてはいかがでしょうか。