書評

人を操る禁断の文章術

1.今日の一言と本のサマリー

唐突な質問ですが、「皆さんの思う、世界最高の美女とは、どんな人ですか?

このたった1行の文章を読むと、思う人こそ違っても、いずれの場合も誰もが自分の思う絶対的な美女を思い浮かべます。人は言葉を目にすると想像を始めるのです。実際のところ世界最高の美女の定義は、人それぞれ。誰もが認める完璧な世界最高の美女は残念ながら存在しません。

しかし文章にすると、人それぞれ違うものを想像できるので、世界最高の美女は文章の中では存在します。

心が動かされる文章を読んだとき、私たちの心で何が起きているのか?メンタリストが教える禁断の文章術、ご紹介していきます。

2.ポイント3点

文章のたった1つの目的、それは今すぐ人を行動させること

小綺麗でお利口な文章は読まれない

人の心を揺さぶる文章を書きたいなら、自分の頭の中を探る時間を最小限に。刺さる言葉はあなたの中にではなく、相手の心の中にある

3.岡崎の考察

文章は一度書いてしまえば半永久的に働いてくれる、いわば営業部隊の1つ。人を動かすことができる文章力を身につけたら、様々なビジネスシーンでメリットがあることでしょう。

本書で紹介されている各技術は全体で3ステップとなっています。全体的な概要という形で今日は書評していきたいと思います。

◇ステップ1◇ 書かない三原則
①あれこれ書かない
あれこれと内容を詰め込みすぎた文、長文はすぐに飽きられます。狙う結果を1つに絞込み、あえて短文にすることで読み手の想像力を利用しましょう。

②きれいに書かない

美しいだけの文章、理路整然とした表面的な文章では人の心は動きません。感情を込めた文章で、読み手の想像力を刺激し、感情を引き出しましょう。

③自分で書かない

自分の頭の中に答えはありません。書く前の準備で全て決まります。相手の読みたい内容、求めている言葉を探りましょう。

◇ステップ2◇ 人を動かす7つのトリガーから1つを選択する。
人が行動したくなるトリガー(引き金)は次の7つだといえます。伝えたい相手がどのトリガーによって行動するのかを選択しましょう。
①興味、夢中になれること
②本音と建前
③悩み
④損徳
⑤みんな一緒
⑥認められたい
⑦あなただけ、自分だけ特別扱いされたい

◇ステップ3◇ 人を動かす文章を書くための5つのテクニック
①書き出しはポジティブに
明るい調子で書き始めると、それだけで相手の心をつかみ、その先を読みたいと思わせることができます。
「お疲れ様です」を「おはようございます」に変えてみたり、「先日はありがとうございました。〇〇の件はとても勉強になりました。」などと書き出してみましょう。

②何度も繰り返す

同じ意味と感情を、文章の中で言葉を変えて繰り返していきます。意味と感情を繰り返すことによって何が起きるかというと、文章の説得力が上がるというのです。
ただし注意点があります。同じ言葉を繰り返すと効果が下がってしまいます。一番伝えたいメッセージを言い換えたり、連想させる言葉を考えて使いましょう。

③話しかけるように書く

きれいな文章を読んでも心には残りません。きれいに書くよりも、話しかけるように書くと良いといいます。誰に向かって伝えているのか?読み手に合わせて言葉を変えるのも効果的でしょう。
年上なのか、同世代のか、年下なのか。相手に合わせた言葉遣いを使いましょう。会話を文章化するだけで、説得力は上がると覚えておきましょう。

④上げて、下げて、また上げる
最初はポジティブに書き始めて、そのままポジティブのままで話が進むと文章にメリハリがなく、面白くなくなってしまいます。ジェットコースターのように感情を揺り動かすことで、相手は文章の結論により大きなワクワク感を覚えるのです。
大ヒットする映画や小説のストーリー展開なども、基本的には上げて、下げて、また上げてという構造になっています。

⑤追伸をつける
あらゆる文章の中で人が最も読み、心に残るのは推進部分だといいます。
追伸をつけるときのポイントは2つ。
1つ目のポイントは、推進の前の部分でいちど、きちんと話を終了させておくこと。
2つ目のポイントは、追伸の短文の中にクライマックスを作ること。
つまりあなたが伝えたい願望や、相手に行動させたいことを書くようにしてください。実践しやすく、文章の持つ力強さを再認識させられる1冊でした。お勧めです。

4.気になるワード

文章のたった1つの目的、それは今すぐ人を行動させること。
文章は一度、書いてしまえば半永久的に働いてくれる。
文章は最強の営業部隊になる可能性もある。
文章の優位性
①イメージの操作が容易なこと
②書き直せること
③結果を見直して、微調整できること(テストできる)
文章とは読まれるために欠くものではない。
行動させるために書くものだ。
目標は、文章化されることでより明確になり、達成しやすくなる事は、すでに心理学でも証明されています
ありきたりで常識的な言い回しに、過剰で具体的な条件を表す言葉を組み込むと、その文章は名言に変わる
読み手の心を動かし、行動へと導いてこそ、初めて文章は存在する価値がある
人は、受け取った情報が足りない時は想像で予測や判断する習性があります。
ポイントさえ押さえていれば、心は動かせます。
文章を書くときのスタート地点は、相手にどんな行動をして欲しいかを考えること
小綺麗でお利口な文章は読まれない。人を動かすのは論理ではなく感情。話しかけるように書く。
これを読むのはどんな人か、どんな人たちかを十分に調べておくこと。
ペンを持ったり、キーボード打つのはその後です。
プロのマーケターはそういった準備を行ってから、どういう言葉を使うと心を動かすかスイッチになるのかを考え、文章にしていきます。
相手の心を動かす文章を書けるかどうかは、書く前に全て決まってしまう
人の心を揺さぶる文章を書きたいなら、自分の頭の中を探る時間を最小限に。刺さる言葉はあなたの中にではなく、相手の心の中にある
相手を誘導するには、相手の心に寄り添うことが最も大切なこと
悩みは、人の心を動かす大きなキモになる
悩みの9割はHARMの4文字に集約され、分類できる
①ヘルス、健康
②アンビション、野心や大望
③リレーション、人間関係
④マネー、お金
損失を受けることで感じる心の痛みは利益の喜びよりも大きい
物事の良い面、悪い面を均等に伝えることで、物事を疑ってかかる慎重な人や、その商品に対する知識を持っている人の信頼を得る
デメリットを知ることで、相手はこちらを信頼してくれ、さらにこういう部分は良くないんだなと納得してくれます。
文章を書くにあたり、そのまま使える5つのテクニック
①書き出しはポジティブに
②何度も繰り返す
③話しかける
④上げて、下げて、また上げる
⑤追伸をつける
冒頭にポジティブだった体験を盛り込んでいくと、相手の心に刺さる文章になります。
会話を文章化するだけで、説得力が上がる。なぜそうなるかというと、人は文章より会話の方が内容を覚えやすいから。
文章は会話のように一人二役で書こう
あらゆる文章の中で人が最も読み、心に残るのは追伸部分
人間は、達成した課題よりも、達成されなかったことや中断されていることをよく覚えている
まだ続きがある事の方が強く記憶に残る
不特定多数の人に向けて情報発信するなら、強い言葉を使うと良いでしょう

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