書評

宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるあなたの知らないあなたの強み

1.今日の一言と本のサマリー

皆さんは自分の強みをどこまで知っていますか?

今日ご紹介する、FFS理論はソニー、本田技研研究所、リクルートグループ、LINEなど、延べ約800社で導入されているアセスメント(適性診断)、自己分析の1つとなります。

なぜ自己分析が必要なのか?それは自分の特性を理解し強みを活かすことができれば、弱みは仲間と補完し合うことができるから。世の中には数多くの成功者と言われる人がいます。彼らの多くは、すべてを自分でこなすのではなく、多くの人の協力を得て結果を作っているものです。

人の助けを借りること。これは大きな結果を作っていくために欠かせない要素の1つでしょう。しかし自分の強み、弱みがわからなければ協力を得る事は難しいでしょう。だからこそ、自己理解は人生を成功へ導くための基盤であり、生き生きとキャリアを伸ばすための指針ともいえます。

FFS理論とは一体何か?ご紹介していきます。

2.ポイント3点

優れたリーダーは、異質な人材を適所に配置し、活躍させる人です

今、日本の組織で猛威をふるい始めているのが、いい人と思われたい上司なのです。職場で人が育たない1番の原因、とされています。

適度なストレスがかかった状態の時に、その人の個性がポジティブな方向に発揮され、過度なストレス状態または過小なストレス状態では、その人の個性がネガティブな方向に発揮される

3.岡崎の考察

FFS理論はストレス理論をベースに研究されたものです。人によってストレスになる刺激は違います。
例えば、同じ広さの部屋にいても、広々とした心地よいと感じる人もいれば、広すぎて不安とストレスを感じる人もいます。つまり、環境や刺激に対する感じ方や捉え方は人それぞれ違うということです。その感じ方や捉え方の特性を5つの因子として計量化したものが、FFS理論となります。

本書では人気漫画『宇宙兄弟』のキャラクターを例にそれぞれのタイプの特徴を紹介しています。書籍には詳細な診断ができるコードが付属されていますが、こちらで簡易診断することができます。気になる方は試してみてください。では中身をご紹介していきましょう。

人は人との関係性で成長する。そのためには、自己理解と他者理解。特に、異質でありながら補ってくれる関係性に目覚めて、より良い組織を作り、より良い人生を送っていただければ幸いです。

自己理解と他者理解。この2つの観点はとても重要でしょう。多くの人は得てして、自分が1番正しいと思い込んでしまいがちです。自分と異なる価値観を受け入れられず、トラブルに発展してしまうことも。

そんなことを避けるためにも、
①自分の価値観をよく理解すること
②自分と人は違う、この人が大事にしている事は何だろうか?と興味を持つこと
が気になってくると思います。

その上で日本人が1番多いタイプとされているのが最初の1歩が踏み出せない、保全性が強いタイプ。保全性が強いことのよいところは、維持するために工夫改善していく力が強いこと。身近なところから目標を立てて、確実に進めていくタイプです。成功体験をベースに体系的な知識や経験を得ることで、成長しようとしていきます。

保全性が強いタイプの人が気をつけなければならないこと
保全性が強いタイプは、きちんと計画通り進めて高い精度で仕事できるようにすることを大事にしています。またみんなができることを、自分もできるようにする傾向があります。ですから逆に、明確な指針がない時や、先が見えないとき、急な変更等があると拒絶的な反応、保身的な行動をしてしまいがちです。
準備ばかりして行動ができないなんて言う状態に陥らないように意識をしましょう。保全性が高い人、すなわち思いつきで動くのが苦手で、しっかり情報を集めたいと考える人の対応策。

保全性が高い人は、闇雲に情報を集めるのではなく、誰にも負けない専門領域を持つことを目指すと良いといいます。この領域なら誰にも負けないと思える位の知識を蓄積し、体系化するのです。その知識の及ぶ範囲でなら、自信を持って戦えるはずです。反対に、それ以外の領域で戦おうとは絶対にしないこと。自分の守備範囲を見極めることが大切でしょう。

一般的に言う性格診断に近い印象でした。知っていても損はないと感じた一冊だと思います。

4.気になるワード

成功した人たちには、共通点があります。自分の特性を理解し、強みを生かし、弱みは仲間と保管しているということです。逆に言うと、成功者の個性に何か共通した特徴があるわけではない。
自分の特性を知り、強みを発揮できる状況を逃さず、弱いところを助けてもらうことを意識すれば、どんな人にも成功をつかめる可能性がありそうです。
自己理解は人生を成功に導くための基盤であり、生き生きとキャリアを伸ばすための指針とも言えるのです。
自分にとっては好ましい言動も、個性の違う相手にとってはストレス状態の場合がある
自分の個性を知り、相手の個性を知れば、少なくとも相手をストレス状態に追い込むことなく対話ができるようになります。
日本人の6割は最初の1歩が踏み出せない
適度なストレスがかかった状態の時に、その人の個性がポジティブな方向に発揮され、過度なストレス状態または過小なストレス状態では、その人の個性がネガティブな方向に発揮される
最初の1歩が踏み出せない人は、自力で道を切り開こうとするより、自分の代わりに少しだけ扉を開いてくれる人を味方につけて、その人たちの力を借りながら進めばいい。そしてチャンスが巡ってきたら、迷わず乗っかることです
一歩を踏み出せない人は、周りにいる間にでも恐れずに飛び込んでいく人が眩しく見えたり、無理をしてその真似をしようとしたりすることがあります。でも、そういう人を羨ましがったり、後追いする必要はない
情報を幅広く集める事は、決して悪いことではありません。でも、いつしか情報を集めることに満足して、挑戦が後回しになってしまう
情報は体系化することで、利用価値がぐんと高まります。
ライバル心は、うまく利用すれば自己成長の糧になりますが、勝ち負けにとらわれすぎると、お互いに足を引っ張り合う泥仕合に発展しかねません。
ライバル心をプラスに転換していくためには、切磋琢磨する関係になることです。
決められないのは立派な個性であり武器である
意思決定の質を評価するポイントは、意思決定に至るプロセスと、意思決定の内容の実効性です。つまり、議論がつくされた上で合意に至り、そしてその決定に実効性がある意思決定を、質が高い意思決定と評価します。
異論を切り捨てるのではなく、会話を積み重ね、同意を得るプロセスを回した結果、自然に全員が納得できるくらいに消化できれば、何も気にしてなくていいので、気持ちも楽です。そしてみんなから感謝されるのです。
すぐにググること自体は悪くありませんが、そこで完結してわかったことになってしまうのが問題です。ネットでググる場合でも、関連情報もついでに調べるなど、知識の体系化を意識すると良いでしょう。
個性のすれ違いが不幸な関係を生む
無骨で不器用な人がリーダーとして活躍するためには、正義感や責任感の強さといったその人の良いところを感じ取り、理解する人が必ず必要です。
有能だけど無骨で不器用なリーダーに出会ったら、ぜひ、理解者になりましょう。
ドライに見えることと、冷たいかどうかは別
本気の失敗には価値がある
壁になる上司は、リスクをとることが生理的に嫌なのです。理屈ではわかっていても、動きたくない。変えたくない。
大事なミッションにこそ、勇気を持って期待の新人を起用すべきなんだ。それが組織を育てる。
リーダーの役割は変革を成し遂げること。日本人に向いているのは、安心感を与えられるリーダーです。
今、日本の組織で猛威をふるい始めているのが、いい人と思われたい上司なのです。職場で人が育たない1番の原因、とされています。
成長するには、自らの限界を知るという経験が必要
上司の優しさが部下育成を妨げる理由は、部下にも自分にも甘えが生まれることにあります。
人を理解できてこそ、強いチームが機能する
優れたリーダーは、異質な人材を適所に配置し、活躍させる人です
人は人との関係性で成長する。そのためには、自己理解と他者理解。特に、異質でありながら補ってくれる関係性に目覚めて、より良い組織を作り、より良い人生を送っていただければ幸いです。

5.商品の紹介