書評

職業、挑戦者

1.今日の一言と紹介する本

以前、うちのスタッフから岡崎さんの家には緑がなくてだめだとダメ出しされ、買っていたハートリーフ。僕の知識不足で、冬は水をあげてはいけないのに、水をあげてしまい完全に枯れ木に。

暖かくなってきて、栄養剤をあげて、いつもありがとうありがとうと伝えていたら、なんと大復活しました。

うん、よくがんばった、お前えらいぞ!そんなふうに毎日声かけてます。

観葉植物がある家っていいですね。大切に育てます。それでは今日の書評『職業、挑戦者』をしていきましょう。

2.本のサマリー

踊り場を迎えた、コンビニエンスストア業界。平成の時代に加速度的に成長したコンビニエンスストア業界ですが、店舗数の方や、人手不足、営業時間の問題などで成長は鈍化…

そんな中、大改革を行った人それが、ファミリーマート社長の澤田社長

サークルケイサンクスとのブランド統合、内装を変え、商品を変えた店舗は5003店舗。これだけのスケールのブランド転換は、世界に類を見ないほどの規模。なんと澤田社長は、その大プロジェクトを予定より3ヶ月前倒しでやってのけました。

逆風吹き荒れる3兆円の巨大ビジネスをどう変えたのか?

本書はブックライター、上阪徹先生による執筆。徹底した取材から見えてきた、澤田社長の仕事術とは?

3.ポイント3点

今の時代は過去に決めたことを守り続けることに慢心する方が、リスクではないかと思う

最終的には、人のやる気こそが、最も重要な競争戦略になる

唯一生き残ることができるのは変化できるものである

4.岡崎の考察

僕らが絶対に忘れてはいけないのは、加盟店さんが物心両面で幸せになることです」僕もよくお世話になっているファミリーマート。本を読む以前から、ファミリーマートってなんとなく変わったかな?と感じていたので納得することばかりでした。

コンビニエンスストアのフランチャイズの厳しさがメディアでも取り上げられ、とても大変な業界だと思います。そんな中、本気で加盟店さん方の幸せを考えて仕事をするという事は素敵なことだと思います。

それでは実際、どのようにファミリーマートを改革してきたのか?大きく3つの要点にまとめていきたいと思います。

①徹底した現場主義
店舗のことを深く理解していない人間が、社長になるわけにはいきません。経営改革の一環ぶりは、2016年9月の社長就任の前から始まっていたといいます。この年の夏、なんと澤田社長は、ファミリーマート一番町店で3週間にわたって店長研修を受け、売り場に直接たっていたといいます。
これにはさすがに社員も驚いたといいます。社長になる人物が、売り場で研修を受けたという事実。しかも数時間、体験するのではなく、3週間、他のスタッフと一緒に本格的な店長研修を受けたなんて聞いたことがありません。
コンビニは大勢のスタッフによって支えられています。何より考えなければいけないのは、店舗スタッフとして働く皆さんに、いかに仕事を楽しんでもらえるか、やりがいを感じてもらえるか、ということです。
ファミリーマートで働きたいと思ってもらえる工夫を、現場目線で考えないといけないんです。こういった姿勢から、徹底した現場主義という姿勢をうかがえます。

②引き算の美学
現場で研修を受講した澤田社長が真っ先に感じた事は、無駄の多さ。例えばレジ1つとっても、お客様の年齢や性別を入力するためのボタンが付いていました。レジは、このボタンを押さないと開きません。だから、精算ができない。
しかし、年齢を素早く判断して、正しく押す行為は簡単なことではありません。しかもただでさえ忙しい中で。そもそも人の年齢なんて、見た目だけではわからないにもかかわらずです。その他様々な現場で無駄が多かったという澤田社長。仕事において足し算は簡単です。あれもやろうこれもやろうと、次から次えと新しいことが追加していきます。結果仕事が膨張してしまいやりにくくなる。
大切な事は引き算。何が止められるかを考えながら仕事をすることが大事ですね。

③楽しく仕事する
生産性は、楽しくないと絶対に上がらない。社内報もつまらない、加盟店の集いもつまらない、つまらないことだらけだったファミリーマート。実際に上がってきた資料を、こんなつまらないものならやり直せ、いっそやめてしまえ!とつい返す場面もあったそうです。楽しく仕事をすると、生産性が上がる。このことは様々な場面で澤田社長自身が実証しています。
本書の中で印象的だったのは、ファミチキの擬人化。人気商品ファミチキを擬人化した企画でしたが、なんと社長自ら被り物をかぶり、CMに出ているそうです。その結果、ファミチキの認知は圧倒的に上がり、売り上げにも貢献したとのこと。

楽しく仕事をする、これはどんな仕事でも大切なことですね。

5.気になるワード

動かしたり、束ねたりする事は、リーダーの役目ではないんです。結果的にそうなるように何ができるか。リーダーには、それが求められているんです。
店舗のことを深く理解していない人間が、社長になるわけにはいきません。
細かなルールを足し算して積み上げるだけで、引き算をしてなかったんですね。
たくさんの会社の経営や再生に携わってきて、わかったことがあるんです。それは、おかしくなった会社は、リーダーが現場を理解していないという事
絶対に避けなきゃいけないのは、上層部の内紛。リーダーたる澤田が強く意識していたこと
誰も文句を言えない状態を作ることです。そのためには自分が1番努力する。圧倒する。ぐうの音も出ない位に仕事をする。澤田に言われたら、これはまずいな、という状態を作る事です。だって、1番努力していれば誰も文句を言えないでしょ。
リーダーの仕事は2つある
①日常的に発生する課題を解決する仕事
②未来を作る仕事
現場の実情を知らずに机上の論理だけで判断すると、的外れの決断が出てくる。それを繰り返すと次第にチームはバラバラになっていく。
現場を理解していないのに、経営を語るべきではない
考えないとどうなるのかというと、ますますルールやマニュアルが増える
今の時代は過去に決めたことを守り続けることに慢心する方が、リスクではないかと思う
トライ&エラーを繰り返し、失敗しても、変化していくことができるほうがうまくいく可能性が高い
課題はたくさんあるんです。そこに一生懸命、向き合って解決するかどうかで、信頼関係は築ける
本部の仕事は、仕組みを改革していくことなんです
生産性は、楽しくないと絶対に上がらない
澤田さんはお金のために働く人じゃない。澤田さんは、人のために働く人であるべきだ
規律自体、悪いことだとは思わないんですが、あまりにも強すぎて、自ら考えで成長する機会を奪っていた。
枠をいつもぶっ壊すと思って、それを実行することで成長してきた。枠にはまらない企業文化の方が、社員は活性化する。
トップを信じている現場は、驚くほど迷いがない
最終的には、人のやる気こそが、最も重要な競争戦略になる
唯一生き残ることができるのは変化できるものである
社長って、毎日料亭とかで飯食ってるんじゃないかと思われていたんですよね。基本はファミリーマートの商品を食べています。
オープンというのも時代のキーワードですよね。隠している、と思われたら炎上しかねない。良し悪しではなく、それは時代の流れなんです。
人のやる気ほど大事なものはないんです。それをあげられるコミニケーションは、どんどんやっていかないといけない。
改革は、組織を作って任せてしまえば、できるものではない。本当に大変なんです。トップが外をリードしないと動かない。本気でコミットしないとうまくいかない。みんな、変わるのは嫌なんですから
いいことだとわかったら、社員は動き出す
身近な人に褒められる事は、とても幸せなこと
実は全く伝わっていない、知られていない。それを前提にして、すべて疑うところから始めないといけないんです。そうでないと、売れるものはできない
一生懸命にものを作る、というのは、当たり前のことなんです。普段の努力をずっと続けないといけない。でも、ファミリーマートらしい伝え方をしていかないと、戦い方が同じでは結局、埋もれてしまう
他社と違うものをやろう。ファミリーマートらしさはなんだ。自分たちのコンテンツを作るぞ
個人個人に成長してほしい
人間はどこで生まれても、基本的にいい人たち
大楽というのは、そこに安住することを否定していかないといけない。
長くいればいるほど、自己否定はなかなかできない。だから、リーダーが信念をもって組織を牽引するしかない
役員の人数は、少なければ少ないほど良い
僕は評価はものすごく大事だと思っているんです。結局、会社は社員のやる気で決まるんです。人間のやる気こそ、本質なんです。
人は競うことによってこそ、自ら成長するんです。誰かに成長させられるものではないんです。そこから、リーダーは生まれてくる。リーダーは、育てられるものではないんです。
お金じゃないんですよ、本質は。お金を目当てにする会社にしたら、おかしくなってしまう
理想的なのは、職住接近なのだ。移動距離を縮めて、時間を作る。
やるべきことをはっきりさせたら、後は責任者に委ねる。
できなければ、責任者が責任を取る
本音で会社のために良かれと思うことを議論していく。そういう土壌を作ることが、とても大事なんです。そういう本音が言えなくなってしまうのが、最もいけないんです。
未来につながらないものは、すべて引き算すべき
ポテンシャルがないと見たものは、容赦なく撤収
足し算はとにかく楽なんですよ。だから、どうしても足し算してしまう。でも、未来につながらないものは、すべて引き算すべき
僕らが絶対に忘れてはいけないのは、加盟店さんが物心両面で幸せになることです。

6.商品の紹介