1.今日の一言と紹介する本
ドバイの建造物は日本にはない突き抜けたものばかりになっています。
びっくりしたことに、世界中の高層建築物用クレーンの1/3がドバイに集まっていると言うのです。
一体どれだけの職人の方々がここに関わっているのでしょうか。
さて、職人と言うと辛く厳しいと言うイメージがありますが、そのイメージを大きく変えた会社があります。
富山にある株式会社能作です。
この会社はとても面白い経営方針を持っています。
『しない』経営方針です。
能作のしない経営方針
①能作は、儲けを優先しない…儲けではなく、楽しむことを優先する
② 能作は、社員教育をしない…教えるのではなく、自分で気づかせる
③ 能作は、営業活動をしない…営業する側ではなく、営業される側になる
④ 能作は、同業他社と戦わない…競争ではなく、共創する
儲けではなく楽しむことを優先した結果、なんと売り上げが10倍にもなったといいます。
その秘密は何なのか?
『社員15倍! 見学者300倍! 踊る町工場―伝統産業とひとをつなぐ「能作」の秘密』をご紹介していきます。
2.本のサマリー
鋳物職員の地位を取り戻す!
鋳物と書いて『いもの』と読みます。
鋳物とは、溶かした金属を型に流し込み、冷えて固まった後、型から取り出してできた金属製のことです。
本書は、これぞ富山の奇跡!と言われた町工場にまつわる実話です。
著者、能作克治さんは婿入りという形でこの街工場に就職。
そこで働いていた際に見学に来た親子の一言が彼を凍りつけさせます。
『よく見なさい。ちゃんと勉強しないと、あのおじさんみたいになるわよ』
鋳物、伝統産業を守っていきたい。
より世の中で鋳物を活躍をさせていきたい。
そんな思いから一念発起。
なんと営業なし、社員教育なしで、売り上げを10倍!
さらに富山の片田舎に年間12万人も工場見学に来る!
カンブリア宮殿でも取り上げられ話題となった能作。
その取り組みについて紹介した一冊となります。
3.ポイント3点
数字至上主義は、仕事をつまらなくすると思っています。
能作の原動力は、楽しむことです。
大事なのは、まず自分がやって背中を見せることです。
社員を動かしたいなら、言葉ではなくて、自分の背中を見せることが最も有効です。
プロフェッショナルとは、思いやりと優しさを持った人のこと
4.岡崎の考察
時代が大きく変わってきている中で、とても大事な要素が『楽しい』と言うことでしょう。
楽しいと人は自分の能力以上の生産性を発揮するものです。
経営資源は、人、物、金、情報と言われますが、どの経営者も特に重要視する経営資源は人です。
どんな状況からもビジネスを成功させる鍵は人だからです。
人を成長させ、生産性を上げるために株式会社能作が取り組む人材育成に関する考え方は次の通りです。
【能作の人材育成に関する7つの考え方】
①教えるのではなく、気づかせる
②教える人がいない方が、早く育つ
③個性を大事にする
④好きこそものの上手なれ
⑤やりたい事はやらせてみる
⑥社長が率先して現場に出る
⑦多能化に取り組む
この本を読み終えて、僕が思った事はこの7つの考え方を自分が実践すると、自分も周りの仲間も大きく成長するだろうということです。
また、社長が率先して現場に出る、ということを公言しているところもすばらしいと思います。
リーダーが模範となり、率先垂範で行動をする。
僕も実践していこうと改めて決めることができた一冊でした。
5.気になるワード
①技術を磨いて問屋の信頼を得る
②自社製品を開発、販売する
③工場見学を受け入れる
なぜなら、その方が鋳と同じで臨機応変に、柔軟に対応できるからです。
楽しくない仕事なら、やらないほうがいい。
能作の原動力は、楽しむことです。
①能作は、儲けを優先しない…儲けではなく、楽しむことを優先する
② 能作は、社員教育をしない…教えるのではなく、自分で気づかせる
③ 能作は、営業活動をしない…営業する側ではなく、営業される側になる
④ 能作は、同業他社と戦わない…競争ではなく、共創する
①教えるのではなく、気づかせる
②教える人がいないほうが、早く育つ
③個性を大事にする
④好きこそものの上手なれ
⑤やりたい事はやらせてみる
⑥社長が率先して現場に出る
⑦多能化に取り組む
社員を動かしたいなら、言葉ではなくて、自分の背中を見せることが最も有効です。
お客様のニーズをすくいあげるには、販売店スタッフの意見に傾聴する必要がある。
①人の真似をしない
②素材の性質を知り尽くす
③他人の考えを否定しない(自分の考えに固執しない)
④美術品ではなく生活に密着した製品を作る
⑤クモの巣を張り巡らせて、情報をキャッチする
⑥デザイン力を磨く
⑦軸から外れない
もちろん、経営者として会社全体の方向性を見極めることも重要ですが、これしかやらないと方向性を絞った途端、伝統産業は失速します。
失敗も成功も悪くなくて、1番よくないのは何もしないこと
済んだ事は、忘れろ
失敗した事は、忘れたらいい。
大事なのは、今を生きることです。
今を大事にして生きれば、その先に未来は必ず開けます。
人生は元に戻れないので、決断したら前を見る。そして、嫌なことはすぐ忘れることです。
やる前からできないと言わない
お客様の要望に100%応える
人生で最も大事なのは、何人の人を幸せにできるかだと思います。
選択を迫られた時は、どちらの選択がより多くの人を幸せにできるかを見極める。