書評

サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ なぜ、経営人材と新規事業が続々生み出されるのか?

1.今日の一言と紹介する本

余談ですが、ダイエットは元はとても痩せやすい。

正確に言うと痩せるのではなく水分が抜けるだけ。

ちなみに脂肪100グラムは約700キロカロリー。体重70キロの人が10キロメートル走った時に使うカロリー消費量です。基礎代謝が1日1400とすると、全く食べなかったとして脂肪は200グラム減る計算。

1時間走って何も食べなくても300グラムしか減らないんです、1日に。

千里の道も一歩から。
小さな努力の積み重ね。

それでは今日の書評『サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ なぜ、経営人材と新規事業が続々生み出されるのか?』をしていきましょう。

2.本のサマリー

20代が次々と社長に着任していく…さらにインターン生であった内定者が、就職前に社長に就任…

突き抜けたリーダーが排出され続けているサイバーエージェント。その背景には意外な人事制度、そして企業文化があった。日常的に部下に、何がしたいのかを問い、大胆な抜擢につなげていく組織カルチャー。縦の組織ではなく、年齢や性別、職種、趣味など横軸でつながる仕組み。上りポストを作らず、意思表明した人材を若くして登用していく…

サイバーエージェントには、経営人材、起業人材が育てられる、様々な仕組みが。

これから求められる人材をいかに採用し、育てていくか。これからの時代に求められるような人材に、いかになっていくのか。

企業の活性化のために、自らをさらに成長させていく、サイバーエージェントの取り組みとは?

本書はブックライター上阪先生の取材により完成した1冊となっています。

3.ポイント3点

指示待ちの社員はもういらない。自分で考え、自分で動き、決断できる人材が欲しい

本気になった。それまでの2倍の気持ちで奮闘した。そうすると、一気に事業が伸びた。

求める人物像は、本当にシンプルなんです。もしかしたらびっくりされるかもしれません。素直でいい人、です。

4.岡崎の考察

環境が人を育てる」本書の中でもっとも印象的な言葉でした。
人は環境の生き物で、良い環境にいれば良い人が育ち、悪い環境にいたら悪い人が育つもの。当たり前のようですが、環境を選ぶということをちゃんとしてる人は少ないように感じます。

ではサイバーエージェントではどういった環境づくりをしているのか?

決断経験が得られる良質な環境を作り続けていけば人は育つ

決断経験を得られる環境。新人にはなかなか多くないかもしれませんが、サイバーエージェントでは新人でもどんどん決断させる。習うより慣れろ、という事。つべこべ言わずにやらせてみる。でも、やらせっぱなしにはしない。

一方で、過干渉でもないし、放置でもない。側面的なサポートの仕組みはいろいろあるけれど、最後は自分たちでやらせる。しかしそれでは多大な損害も出てしまいそうですが、損失についてはこのように考えてるそうです。

失敗しても、資本金くらいで1人、すごい経験ができる人材を輩出できるなら、安いものだと考えている

さらに社内文化として「褒める」ということを大事にしてるとのこと。

褒める文化だと褒めれば褒めるほど、それが正しい方向なんだとみんなが理解してくれるので、どんどんどんどん同じ方向に向かってシンクロしていく。逆に叱る文化って、そっちのほうにいっちゃダメですよという事しか言わない。方向性は示してない。だから同じベクトルに向きにくい。

最後に採用で大事にしてることはビックリするほどシンプル!

何より大事な事は、会社に合う人かどうか

求める人物像は、本当にシンプルなんです。もしかしたらびっくりされるかもしれません。素直でいい人、です。

読んで思ったこと、サイバーエージェントに入りたい(笑)

人が育つ環境づくりをしたい、そういう人におすすめの一冊でした。

5.気になるワード

指示待ちの社員はもういらない。自分で考え、自分で動き、決断できる人材が欲しい
すでにある事業を綿々コツコツとやっていても、成功できる時代ではなくなった。誰かが出した答えをひたすら完遂しても、もはや結果が出ない。求められているのは、大胆な発想転換であり、思い切った挑戦であり、ブレイクスルーをもたらす行動、新しい答え。そして、それを率先して生み出す新しいタイプのリーダーだ。
バラバラで動くのではなく、戦略をちゃんと決めて動く
自分でなんでもかんでも1人でなんとかしよう、なんてやっていると、大体どこかで失敗する。
大事な事は、目指すものを達成すること。そのためにできることなら、どんどんやればいい。
手を挙げた人間に対して、それが決まったら応援するというのが、サイバーエージェントのカルチャーなのだ。
退路を断って腹くくろう
逃げないこと、ですね。仕事にいかにきちんと向き合うか。それができていないと、やっぱり人はついてこないと思います。意志を持って働く事はとても大事な気がします。その意思が、事業の成長の方向性とシンクロしていたら、より増幅される。意志なく働いていると、やはり最後の踏ん張りがきかない
海外展開も含めてうまくいったが、背景にあったのは、何より戦略的思考だ。
やはり最速でやったことが大きいと思っています。藤田もよく言いますが、うまくいくには最高か最速かのどちらかしかないという考え方は社内に根付いています。
意思表明がいかに大事か
藤田は投資をする時、経営者としての人しかいないとよく言います。事業よりも人を見る。
子会社の社長でも役員でもいいから、やりたいと言う人が多いんです。でも、やりきれる人はそうそういるわけではない。
取締役は上がりのポジションではない
足の引っ張り合いや疑心暗鬼って、自分の椅子を取られないように、とか競争心から来ることが多い
会社が持つ価値観、カルチャーにあう人、一緒に働きたい人、サイバーエージェントを一緒に大きくしたいと思ってくれる人がいて、そこにあった事業を立ち上げていく
調整もできて、一方で安心もできる環境を作っていこう、というのが、実力主義型終身雇用
サイバーエージェントが強く意識しているのが、絶えず変化を起こすこと
実力にはやる気も含まれる
人材を育てるには経験させよ
もともと社長の藤田が、創業の時点から人事が極めて重要だと考えていた
創業当初から、採用に力を入れていた。何より大事な事は、会社に合う人かどうか。
一緒に働きたい人を採用しよう
社員を大事にして長く働ける会社にしよう
社長を育てたいなら、社長をやらせるしかない。
環境が人を育てる
必要なのは、胆力を高め、判断能力を高め、俯瞰力を高め、優れた決断をする力
決断力が育つ環境をどれだけ作れるかこそ、圧倒的に重要
人材育成のモデルは、7割が実施、2割が投機やフィードバック、1割が研修
決断経験が得られる良質な環境を作り続けていけば人は育つ
制度ではなく、風土となる事例を作る
制度なんかあってもなくてもいい、風土がなくてはダメ。風土を作るには事例を増やせば良い。
制度がうまくいかないのは、極めて簡単な理由によるという。成果の定義をしていないからだ。
成果を先に提示して、その成果になったかどうかが大事
人事は人事部の仕事じゃないんですよ。人事は社員全員の仕事なんです。
流行るか流行らないかはネーミングで決まる
人事には2つの機能があるんです。コミニケーションエンジンと言う機能と、チャンスメーカーと言う機能です。
前者は、経営が考えたものや会議で決まった思想を現場まできれいに伝えていくこと。後者は、社員の才能を引き出して開花させること。
マネージャーの昇格基準は人望、人間性があること
いろんなチャレンジをしてみたいが事業アイデアを生む
会社自体、絶えず変化を起こすようにしている
サイバーエージェントが変化し続けている会社ですから、そもそも社員も進化やチャレンジをしないとだめだよね、と言う文化がまずはあるんです。
ある種ちょっとカオスな部分を残しておいた方が良い
遠慮して打席に立たなかったことで負けた
無茶なことをさせる会社だから学びになる
チームが覚悟を持って仕事に向かえるようにしていく
いろいろ難易度が高いことがたくさんあると思うし、そこに答えなんかないと思うけど、死ぬほど考えて
撤退ルールの条件をなあなあにしない
考えていたのは、とにかくサービスを拡大させることだけ
意思決定と言うのは、何をプライオリティにするかによって変わる
余裕を持たずに始めなければいけない
事業で失敗するパターンは、本人のやり方の問題というより、市場が大きくなくなったとか、変化してしまったという場合の方が多い
サイバーエージェントでの起業で最も魅力だと感じているのは、もっと大きい成果を出そうという意識が常に頭の中に入ってくることだ。
身の丈以上に勝負できると思ったら、思い切ったことをする
サイバーエージェントが何より大きいのは藤田の存在です。
守りの形が通用するのは、せいぜい2、3年
修羅場の時こそ、リーダーの本当の力が問われる。
自分で決断できるリーダーでないといけない。
追い詰められ、悩み、苦しむ経験からこそ、見えてこないものがある。
修羅場経験、失敗経験を存分に積ませる
本気になった。それまでの2倍の気持ちで奮闘した。そうすると、一気に事業が伸びた。
できないことに対しても、わかったふりをした。それが、相手に伝わらないはずがない。不信感はどんどん高まっていった。
最後は自分で決める。それは意識している。だが、成果に対して最短の道を行くという意味では、周囲に頼ることも大事だ
見栄を張る奴に大役を任せない
看板で仕事をするのではなく、自分の能力で生きていける人になる
もちろん方向性を決めるんですが、僕がすべての答えを持っているわけじゃないんだから一緒にやっていこう、というコミニケーションをします。
失敗しても、ネクストキャリアステップがちゃんとある
経験が豊富だからって、新規事業が成功する確率が高いのかというと、おそらく今はそんな事は無い
能力の高さより一緒に働きたい人を集める
求める人物像は、本当にシンプルなんです。もしかしたらびっくりされるかもしれません。素直でいい人、です。
マニュアルがあって、言われたことだけをやっているような仕事ではなくて、もっと自分で決めて自分で失敗しながら成長できる会社の方が、当然良い
求める人材は、逃げない、やり切る、自ら発信する
辛い時、苦しい時に逃げない。挑戦していればいるほど、ぶつかる壁も当然、大きくなります。そこで、逃げてしまう人がいる。一方で失敗しても、逃げずにずっと向き合い続ける人がいる。これは、雲泥の差になります。
失敗から何を学び、何を次に生かすのかが大事
大事にするのが、本人の意思なのだ。経営人材、起業人材が自然に育つわけではない。
基本的に前向きなチャレンジで、その人と、会社にとってのプラスが重なれば移動を推奨します。
あくまでも挑戦を応援する
サイバーエージェントの良いところだな、と思うんですが、本人はどうしたいのかを大事にする
エモーショナルな情報は、一次情報を取りに行かないと手に入らない
習うより慣れろ、という事かと思います。つべこべ言わずにやらせてみる。でも、やらせっぱなしにはしない。一方で、過干渉でもないし、放置でもない。側面的なサポートの仕組みはいろいろあるけれど、最後は自分たちでやらせる。失敗しても、資本金くらいで1人、すごい経験ができる人材を輩出できるなら、安いものだと考えている
バタバタしているし、泥臭くやっている。でも、それが結果的に最も効率が良かったりする
叱る文化って、そっちのほうにいっちゃダメですよという事しか言わない。そうすると、同じベクトルに向きにくいんです。
褒める文化だと褒めれば褒めるほど、それが正しい方向なんだとみんなが理解してくれるので、どんどんどんどん同じ方向に向かってシンクロしていく
褒められた人を目指すことで、組織は同じ方向に向かう。これが活性化につながる。
褒めることによって、会社の雰囲気が良くなる
飲みながらのコミュニケーションは、やっぱり大事なんですよ。人となりもわかる。性格もわかる。そういうことがわかれば、業務上でも活きるし、結束力も高まる。同じ釜の飯を食べた感は、やっぱり大事なんです。
経営トップから社員まで、新卒採用から中途採用まで、一気通貫で同じ価値を共有する。だから、できることがある。
重いと仕組みががっちり組み合わされ、しかもそれが常に細かにチューニングされ、サイバーエージェントは人を育てている。だからこそ、若い人材が大きく成長する

6.商品の紹介