書評

Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

1.今日の一言と紹介する本

今日ご紹介する書籍は礼儀正しさについての本です。

礼儀正しい事は良いことであるということは多くの人が知ってると思いますが、一体どんな効果があるのでしょうか?

些細な振る舞いに気をつけるだけで周囲の反応や評価が変わるということをわかりやすく実践した超有名人がいます。彼はバスケットボール界のヒーローであり、誰もが特別な存在として扱う人。

その名も、マイケル・ジョーダン

ジョーダンほどの有名人になれば特別扱いを望みそうなものですが、全く他のメンバーと変わらない扱いを自ら望むそうです。

ときには「コーチ、30分ほど単独で動きを練習したいと思っているんですけど、付き合っていただけますか?」と練習をお願いし、練習が終わると心から感謝をしているという態度でお礼を言ったといいます。

お願いします」と「ありがとう

誰かに丁寧に何かを頼み、そして、してもらったことに心からお礼を言う。ごく単純なことではありますが、あのスーパースターがそこまで礼節を大事にしている。
そしてジョーダンがそれだけ礼節において優れた人物であるからこそチーム全体が優れていき、チームを成功に導く雰囲気作りに役立っているそうです。

スーパースターが大事にしているという礼節。
Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』をご紹介していきましょう。

2.本のサマリー

職場の無礼さの研究を20年した集大成!

著者、クリスティーン・ポラスはジョージタウン大学の准教授。活気ある職場を作ることを目的とし、Google、ピクサー、国際連合、世界銀行、国際通貨基金、米労働省、財務省、司法省、国家安全保障局等で講演やコンサルティング活動を行う。

その仕事は世界中の1500を超えるテレビ、ラジオ、紙メディアで取り上げられている。

礼節は最強の武器になる
礼節は自分も人も幸せにする
礼節によってなりたい人間になる
など、礼節の大事さ、
そして逆に無礼さがいかに悪影響与えるか、
これらにどういった対処をすれば良いのかをまとめた一冊。

3.ポイント3点

無礼な職場では、半分の人がわざと手を抜く

無礼は無礼を生み、礼節は礼節を生む

どの場合でも、重要なのは、その言動が本当に相手に対する尊敬や配慮を欠くものだったかどうか、ではない。重要なのは、された側がどう感じたかである。

4.岡崎の考察

礼節がある人、礼儀正しい人であることが良いことであるということは誰もが知っていると思います。
では実際にどれほどの効果があるのでしょうか?

あるアンケート調査では、礼節ある人は無礼な人の1.2倍、就職への推薦を受けやすいという結果も得られている。感謝の意をまめに他人に伝える人は、そうでない人に比べ、収入が約7%多いというデータもある。就職推薦の受けやすさが1.2倍、収入が約7%も上がると言われれば、それだけでも礼儀正しく、礼節ある人になる努力をする価値があるでしょう。

礼儀正しい人になるための3つの基本動作は次の3点になります。

①礼節ある人は笑顔を絶やさない
②礼節ある人は相手を尊重する
③礼節ある人は人の話に耳を傾ける

さて、礼節の大切さは皆さんもよくお分かりだと思いますし、どういう態度が礼節ある態度かということも改めてこれ以上説明する必要はないでしょう。

むしろ大切な事はここから。
では一体無礼な態度を取るとどれだけの損失が生まれるのでしょうか。無礼な態度の横行する会社が、そうでない会社に比べ、どのぐらいの金銭的損失を被っているか

・48%の人が、仕事にかける労力を意図的に減らす。
・47%の人が、仕事にかける時間を意図的に減らす。
・38%の人が、仕事の質を意図的に下げる。

無礼な社員にかかるコストは年間12,000ドル。更に大きな問題は、無礼さ、礼節は人から人へ非常に早く広まっていくということです。一旦無礼な行動が当たり前になってしまった組織では、これを立て直すのは非常に難しく、多大なコストがかかります。

無礼な態度による悪影響を5つにまとめると次のようになります。

①無礼な人は同僚の健康を害する
②無礼な人は会社に損害をもたらす
③無礼な人は周りの思考能力を下げる
④無礼な人は周りの認知能力を下げる
⑤無礼な人は周りを攻撃的にする

タイトルである礼儀正しさこそ最強の生存戦略であるという事はお題目ではなく真実のようです。私の体験からしても、礼節に欠く組織に入ると自分の生産性が下がることを体感しています。組織全体をいきなり変えることはできないでしょうが、まずは自分が率先して礼節ある態度をとることから始めると良いでしょう。

組織のあり方や、個人の生産性の低下に悩んでいる方にはぜひ読んで欲しい1冊でした。

5.気になるワード

できるだけ、自分を元気付けてくれる人、気分を明るくしてくれる人とだけ関わるようにしましょう。
無礼な職場では、半分の人がわざと手を抜く
無礼な態度の横行する会社が、そうでない会社に比べ、どのぐらいの金銭的損失を被っているか
・48%の人が、仕事にかける労力を意図的に減らす。
・47%の人が、仕事にかける時間を意図的に減らす。
・38%の人が、仕事の質を意図的に下げる。
どんな立場の人であれ、仕事で成功するためには、自分にある問いかけをする必要があるということだ。その問いとは、たった1つ、これだ。
自分はどういう人間になりたいのか。
礼節は自分も人も幸せにする
他人に無礼な態度をとると、結局、自分が大きな損をする
無礼さ、礼節は人から人へ非常に早く広まっていく
どの場合でも、重要なのは、その言動が本当に相手に対する尊敬や配慮を書くものだったかどうか、ではない。重要なのは、された側がどう感じたかである。
無知が人を無礼にする
悪い言動の大半は、自己認識の欠如から生じている
無礼な人がもたらす5つの悪影響
①無礼な人は同僚の健康を害する
②無礼な人は会社に損害をもたらす
③無礼な人は周りの思考能力を下げる
④無礼な人は周りの認知能力を下げる
⑤無礼な人は周りを攻撃的にする
礼節ある言動とは、つまり相手を丁重に扱う言動ということだが、必ず心から相手を尊重する気持ちがないとうまくはいかない。見返りに相手から何かを得よう、自分に属する企業の家路に繋げようという気持ちが背後にあると、いくら相手を丁重に扱ったところで意味がなくなってしまう。
目的のためではなく、互いを尊重し、良識を守るようにする。それが礼節ある言動につながる。
リーダーは自分の欠点をよく認識し、また自分の言動が他人にどう影響するかも自覚していなくてはならない
周囲から見て近づきやすく、また現実的にものが見られる人間であるということも大事
礼節ある人が得られるメリット
①仕事が得やすい
②幅広い人脈が築ける
③出世の可能性が高まる
④礼節ある上司のチームは高い業績を上げる
⑤礼節ある経営者は従業員に安心感を与える
あるアンケート調査では、礼節ある人は無礼な人の1.2倍、就職への推薦を受けやすいという結果も得られている。
職場にいる全員が平等であれば、また全員が敬意を持って扱われていれば、彼らは必ず、ほんの少しかもしれないが普通より熱心に力を入れて働いてくれる
無礼は無礼を生み、礼節は礼節を生む
私たちの心はとても敏感だ。誰かのたった一言がその後の行動を大きく変えてしまう事は珍しくない。
人が自分自身のありのままの姿を見つめる能力、勇気を持たない限り、変化を決して起こらない
印象の38%は声や話し方で決まる
睡眠が不足すると、脳内のブドウ糖の量が減り、それが自己制御、自己規制の能力の低下につながる。つまり、言動が無礼なものになりやすい
自分を向上させたいと思えば、誰もが同様に謙虚にならなくてはいけないし、時間をかけて一歩ずつ努力を積み重ねていかなくてはいけない
より礼儀正しくなるには、また、礼儀を重んじる文化を組織に根付かせるには、まずは基本に目を向ける必要がある。
常に周囲の人に気を配ること。他人の立場でものを考えること。笑顔でいる時間を増やすことも大事だろう。
その中でも特に重要だと分かったのが、温かさと有能さの2つ
良い印象にしろ、悪い印象にしろ、この2つでその90%が決まってしまう
礼儀正しい人になるための3つの基本動作
①礼節ある人は笑顔を絶やさない
②礼節ある人は相手を尊重する
③礼節ある人は人の話に耳を傾ける
話す:聞く=1:2 がベスト
職場内の無意識の偏見を放置すれば、それは不平等えとつながり、業績に悪影響を及ぼす。
偏見は成長を妨げる
正直な評価を知ることができれば、もっと早く成長でき、早く能力を高めることができたかもしれない
Googleは、多様性に大きな価値があることをよく理解している企業だが、その価値を生かすためには、多様性は良いものと皆が明言するような文化が必要だと考えた。
無意識の偏見を取り除く対策を進める上で、Googleがまず問題視したのは、否定である。偏見の存在を最初から否定してしまう人が少なくないのだ。
職場で礼儀正しくあるためには、微笑むだけでは不十分で、必要な事は大きく分けて5つだ。
①与える人になる
②成果を共有する
③褒め上手な人になる
④フィードバック上手になる
⑤意義を共有する
小さな成功体験が人をやる気にさせる
感謝上手な人は収入が多い
感謝の意をまめに他人に伝える人は、そうでない人に比べ、収入が約7%多いというデータもある
無礼な社員にかかるコストは年間12,000ドル
人に感謝の意を表す事は、礼節ある人間になるためには絶対に必要なことだ。
礼節を高めるための鍵は、本人の自宅にある。だから、原因も自分で知っていることが最も望ましい。
無礼な人と話し合うときの注意点。
話し合うタイミングをよく考える。場所も大事だ。どこならば安全か、また、どこならば双方が気分良くいられるか。証人または仲介者として、誰か第三者にいてもらうべきかも考えるべきだろう。
礼節があれば、仕事も、仕事を離れた人生も必ずうまくいくはずだ。

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