書評

頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て

1.今日の一言と本のサマリー

やっている取り組みの1つに、「うちで学ぼうサロン」というサロンがあります。

コロナということもあり、自宅で学びやすい環境を作れないか、ということをテーマに様々なゲストの方をよんでzoom講演会を企画するサロンです。

今日ご紹介する書籍は、以前ゲストでお越しいただいた小川大介先生の1冊。

自分の能力を最大限に生かして、社会で活躍してほしいと自分の子供に願うもの。ただ、子供の幸せを思うあまり、子供に、将来の幸せに直接つながりそうなものを与えすぎ、詰め込みすぎている親御さんが多いといいます。

その結果、いつの間にか笑顔が消えてしまっている現実……

子供の幸せを願うための行動が、知らず知らずのうちに、親自身や子供を苦しめているのです。

子育てをする上で大事な事は何か?社会で活躍する大人になるためにどんなことを大事にすれば良いか?ご紹介していきます。

2.ポイント3点

大丈夫。これからはお子さんを温かく見守っていきましょう。何を与えれば良いかは、お子さんをしっかり観察していれば見えてきます。

もしも唯一、子育てでがんばらなければいけないことがあるとすれば、それは子供を信じきることです。

小さい頃から親の先回りによって失敗を回避してきた子は、ちょっとした挫折ですぐに諦めてしまう傾向があります。

3.岡崎の考察

2017年から、俳優やタレントの要請を行うテアトルアカデミーとともに、子育てプロジェクトを開始した小川先生。

子役の世界では、親が、ああしなさい、こうしなさいと熱心に指導する家庭の子供の方が、幼いうちはオーディションに合格しやすい傾向にあるといます。しかし不思議なことに、9歳前後になると、期待と結果が出なくなってしまう。代わりにメキメキと頭角を現すのは、本人のペースで自由にさせてもらってきた子供。ある程度大きくなって自分を表現することが求められる年齢になると、俄然能力を発揮するそうです。

これらの経験から、子供の能力を伸ばすために重要なのは、9歳前後までの育ち方であるとのこと。詰め込むのではなく、子供自身が見つけた隙を認めて、見守って育てることが、本人の成長のために最も良いといいます。

この時期の子供に必要なのは、特別な教育ではありません。ありのままの子供を認め、見守り、待つことです。頭の良い子の親には、子供を否定しない、子供に与えすぎない、子供のことで焦らない、という3つの特徴があります。

親がそういう態度だと、子供は安心して、自分が興味を持ったことにどんどん取り組むようになるそうです。

そもそも頭が良いとはどういうことか?

30年前は、みんなができることをみんな以上にできることが頭の良いという定義でした。しかし今は、自分の強みを世の中で発揮できる事が求められている時代です。社会の仕組みが変わったという事は、すなわち子育てにおいて心配した方が良いポイントも変わったことを意味しています。周りの人と同じことができることよりも、苦手なこともあるけれど、誰にも負けないものを持っていることの方が大事。

つまり、これからの時代における、頭の良い事は、自分の強みを社会で発揮できる子であると言えるでしょう。

頭が良くなる三原則+1
原則①認める
子育てにおける認めるとは、評価のニュアンスではなく、存在を認めるということ。ありのままを見て、心に留めることこそが、認める本来の意味だといいます。子供の言い分もしっかり聞いて1人の人、存在として認めましょう。

原則②見守る
見守る関わり方が、子供の自主性を引き出す上で大切な役割を果たします。過剰な手出し口出しをしない。子供の挑戦する意欲を見守り、それでいて必要なときには気づいて手助けをする。気をつけなければならないのは、見守ると監視するの違いです。あの子は、ここまでならば大丈夫。ここを超えそうな時だけ注意しておけば良いという信頼を持って子供を見守りましょう。

原則③待つ
マストは決して、我慢することではありません。信じて任せることです。助けてのサインがあるまでは、待っててあげましょう。ただし、今の能力では対処できない壁に子供が突き当たった時は、親が助けることも必要です。
日ごろから子供の表情や目線の変化に気を配り、助けを求めているのか、夢中になって取り組んでいるだけなのか、サインを汲み取るように意識してください。

原則+ α 期待する
大人はもちろんですが、子供も期待されることで伸びます。したいとは、あなたがきっと、こういうこともできるよねという、子供への信頼に基づく希望、願望のこと。親が期待を持って背中を押してあげれば、知らない世界へと踏み出す勇気を持つことができるのです。ただし気をつけなければならないのは押し付けをしないこと。今の時代、〇〇くらいできないと、といった親のエゴで押し付けをしないようにしましょう。

4.気になるワード

大丈夫。これからはお子さんを温かく見守っていきましょう。何を与えれば良いかは、お子さんをしっかり観察していれば見えてきます。
意外と子供のことを知らない
好きを見守ってもらえた子は、いざという時踏ん張れる。
中学入試の問題も、自分軸重視へシフトしています。
どんな子供も、放っておけば自分軸が勝手に育ちます。
不要な否定をやめれば、子供は自分が愛されていると自信を持つことができます。
指定は子供をつぶしてしまう
〇〇してはいけないではなく、〇〇しようと肯定的に伝えた方が、子供は素直で受け取り、行動できる。
その子の強いところ、得意なところをどんどん伸ばす教育が、その子の将来にとっては有利だ
子供はとことんいびつが良い
親から見て価値があるものが20年後も正解だとは限らない
とにかく一通りこなすという方向から、子供自身が得意分野を選んで取り組む方向に発想を転換する
遊び方を観察すると、子供の天才が見える
親の目から見て、すごい、面白いと思うところがあったら、とにかく褒める。それだけで子供の天才は磨かれていきます。
できそうという予感を増やす最も効果的な方法は、日常生活におけるポジティブなフィードバックです。
大切なのは、最終結果にとらわれないこと
当たり前のことを褒めると、当たり前のことがきちんとできる子になる
学校現場や塾業界は、ダメ出し癖のついた大人が非常に多い
当たり前のことを褒めると、当たり前のことがきちんとできる子になる
間違った褒め方
①他の誰かと比較しない
②本人が喜んでいないのに褒めない
③社会のルールを逸脱していることを褒めない
否定的な発言をしがちな人は、パートナーの力を借りるのも手です。
自分の満たされなかった思いを子供で取り戻そうとしても、決して取り戻せるものではありません。
大切なのは、目標通りの人生ではないとしても、それはそれでいいんじゃないのと、自分自身と自分の親を許すことです。
プラスの感情にせよマイナスの感情にせよ、習い事のことで心が動くのは、とても大事なことです。
時間の主導権を子供に渡そう
自らの好きは得意を十分に発揮できている子は自分の時間を与えられている子です。
習い事は何をさせるかよりも子供が夢中になれるかが大事
子供を投資の対象のように見ない
習い事は子供がハッピーになるものを選びましょう。
親が選んだものを一方的に押し付けるのではなく、子供に自分で選ぶ経験を積ませる
与えすぎの原因が、親の自信のなさから来ている場合もあります。
親の焦りは子供を降ります
失敗からこそ学べることもある。子供の失敗を恐れない。
小さい頃から親の先回りによって失敗を回避してきた子は、ちょっとした挫折ですぐに諦めてしまう傾向があります。
大切なのは、子供にどれだけ自分の時間を過ごさせてあげられるか
親が楽しく生きているからこそ、子育てだってうまくいく
もしも唯一、子育てでがんばらなければいけないことがあるとすれば、それは子供を信じきることです。
子育て論は、うまくいった人の結果論
子育てにおいては、よそはよそ、うちはうちの精神が大切です。子育ては2勝8敗で良い。
正解のない社会で子供が幸せに生きていくには、自分にとっての正解を自分自身で決めるための自分軸が必要です

5.商品の紹介