1.今日の一言と本のサマリー
パーキンソン病をご存知でしょうか?頭はしっかりしているのに、日に日に体が動かなくなっていってしまう病気です。
今日ご紹介する書籍はノンフィクション。若年性パーキンソン病と闘いながら、外食業界のスタートなったダイヤモンドダイニング社長、松村厚久さんをテーマにした書籍です。
彼が成し遂げた偉業。それは100店舗100業種の達成。1店舗出すだけでも大変なのに、それを100店舗。しかもすべて業種が違うというから驚きです。
何が起ころうと、絶対屈しない。熱狂こそ、この試練への答えだ。
パーキンソン病と闘いながら、外食業界のスタートなった松村社長とは一体どんな人物なのか?ご紹介していきます。
2.ポイント3点
熱狂こそ、生きる証。熱狂こそ、試練への答え。俺は何が起きようと屈しない。身体の自由を奪われようとも、このクリアな思考回路がある限り、絶対に負けない
何をするにしても、体に何の障害もない頃より、ハードルが上がっています。そこをへっちゃらやり通してみせることが、かっこいいかな、と思いまして。
パソコンをにらんで仕事をしていると、社長が私の後にスーッと来て立っていました。その気配に驚き、ぱっと社長の顔を見ると、「どう?燃えてる?燃えてる?」とだけ言うんです。余計な事は一言も言わない。
3.岡崎の考察
・必ずダイヤモンドダイニングを日本有数の企業に押し上げます。
・燃え盛る魂を失うくらいなら死んだほうがマシです。
・燃えて燃えて、仕事に打ち込みますよ。
・私を苦しめるパーキンソン病との戦いも絶対に諦めません。
・見ていて下さい、必ず勝利してみせますから。
仕事にかける情熱や、真摯な姿勢がひしひしと伝ってきます。そして闘病しながらの大変さは筆舌しがたいものがあっただろうと想像にたやすく、後半涙が出てきました。特に印象的だった言葉をご紹介する形で今日の書評としていきましょう。
①取材を開始したときのエピソード
小松成美先生が取材を開始したときに語った言葉。この体が何不自由なく動けば、今この瞬間にブチ切れかって言うのに…と、毎晩思っていました。いや、今晩もまたそう思うはずです。すでに日本一になり、今は世界が相手だったはずなのに、と。
パーキンソン病になったからここまでの気持ちになれたのだ、と。自分の思いや夢に限界がなくなりましたからね、この病気になって。命がある限り、あきらめず、突き進む。ダイヤモンドダイニングを前人未到の業績を刻む企業にしてみせる。
健康であったら、ちょっとした成功で満足し、後になって、そこまでのダイヤモンドダイニングで終わっていたかもしれません。
②私生活について語った言葉
最近は立っていられないこともあって、よく倒れます。でも、そこでみんなを心配させるか、笑わせるかは、私の心持ち1つなんですよ。私が倒れて、みんなが笑うと、やった!とガッツポーズしたくなりますよ。私への理解、この病気への理解は、小松さんの本の完成で極まるはずです。この病気で戦っている多くの人のためにも、よろしくお願いします。
③1店舗1店舗、違うコンセプトを作り上げて10年で100店舗達成を決めていたことについて
病気を告知されたなら、無理のないように授業を広げる道もあったのではないですかという問いに対して。
それが普通ですよね。でも、私は違いました。当時、社員以外、すべての人たちから無理だと言われたのですが、そう言われると思えてしまうんですね。チャレンジの途中であきらめる選択はなかったです。あきらめるなら、最初からそんな目標、掲げなきゃなきゃいいわけですからね。
パーキンソン病は、誰も知らない事実でしたが、仕事でも、病気でも、負けることが許せなかったんですよ。
④唯一無二の発想を繰り出す秘訣について
道を歩いている時も、看板のロゴデザインに注意してください、他の店を訪れたら内装やメニュー、サービスを胸に刻んでください。と言います。その他、ミーティングのたびに、映画をたくさん見てください、本を読んでください、そうできないなら、本屋やレンタルビデオ店でタイトルだけでもたくさん見てくださいと言っていました。
インプットした情報こそが新たな店のイメージやストーリーを作るための材料になるはずですから。
⑤飲食業界に対する想い
外食業界の地位をあげたいんだ。世間では外食業界の地位はとても低いです。金融や製造業とは違って、消え物を扱っている、流行に左右される、と思われているんですね。レストランビジネスにバクチ的なイメージを抱く人がいるのかもしれません。私はそれを覆えしたいんです。
外食産業が日本という国の重要な産業で、素晴らしい仕事であると知って欲しいんです。
⑥資金繰りについて
当協会の信用保証をつけながら、銀行から資金を借りていたときの条件。総額1億は超えていたと思います。
連帯保証の所には、奥さん、松村社長のご親族、奥さんのご親族、と、3名の連帯保証がついていました。それを見たとき、「社長は命をかけているな」と、ゾクッとしましたね。
社長に、「こんな多額の借り入れ、怖くないですか?」と聞くと、「いいんだよ、何もかもなくなって一文無しになっても、自分についてきてくれる従業員が何人かいれば、また1からやり直せるから。俺はそうするから」と一言、軽く行ったんですよね。なんと肝の太い人だろうと、言葉が出なかったです。
⑦3·11の地震でリスタートを目指したときの一言
私はダイヤモンドダイニング。あなたに変わっていくために、目指す場所に立つために、熱狂を使う。熱狂なき者は、ダイヤモンドダイニングから去ってくれて構わない。
⑧年商1000億に向けて
熱狂宣言は、私の命の証です。飲食業界の風雲児おくる、魂を揺すぶられる一冊。おすすめです。