1.今日の一言と本のサマリー
今日は渋沢栄一が訳した論語を、東大名誉教授が解説した、『「論語」人間、一生の心得』をご紹介します。
ちなみにこの書籍の中でこんなエピソードが書かれていました。
徳川家康がなぜ江戸幕府を大成させたのか。
特に重要だったのは徳川家康の姿勢。
徳川家康は死ぬまで努力をやめなかったと言います。そして死のとこでなお国を憂い、諸大名を病床に招いて、「私が死んで秀忠にもし失敗があれば、力があるものが変わって天下を収めてくれ。天下は1人のものではない」
そんな大成する人の器量について説いた書籍。ご紹介していきます。
2.ポイント3点
全て自分のことと考えれば問題はおのずから解決する
金が儲かりさえすればどんなことをしても構わないということになれば、その商売は道筋の立たないものになるから、どんなに富を積んでもそれは本当の正しい富ではなく、世間の返還を受けることとなり、当人は不要になったとはいえ肩身が狭いような感じがし、さぞかし心持ちが悪いことだろうと思う
働くということが人生における第一の楽しみであり、不老不死の薬も、働くという薬には勝てない。人間は働いてさえいれば憂いも消え心配もなくなるものである
3.岡崎の考察
大成する人として大事な姿勢、考え方、人としての生き方を考えさせられる1冊。論語は知っていても中身まで知っている人は少ないのではないでしょうか?かく言う僕も、ちゃんと読んだのは今回が初めて。
そこで特に印象に残った5点をご紹介します。
①つまらない意地ほど後で大きな助けとなって戻ってくる
勝手気ままな行いをして、世間に迷惑ばかりかけている人でも、他人のことになれば、批判が正確になり、あれは良いとか悪いとか、正しい判断が下せるが、自分の事となれば、判断が全く狂ってしまうもの。人間の癖として、他人の出現や無理な行動は、たやすくあれこれ批判するが、自分にどんな発言非行があっても、これを弁解防御するため、屁理屈をこねて自分の非を通そうとする傾向があります。
どんな理屈をこじつけても失言は失言。速やかに一言を取り消し、再び過ちをしないように心がけましょう。
②人材教育術
教えるという事は、なんでも注入して説明するんではないといいます。弟子が自ら研究して行き詰まったときに、初めてその障害を取り除いてやり、また意味が少し理解ができかかって、口で表現しようとして詰まっているときに、初めて手伝ってやる。学ぶ側が熱心であるときには、教えても無駄な場合があります。詰め込みすぎで教えても効果がない。渋沢栄一は自分で学んでいく、啓発教育を勧めています。
③渋沢栄一がずば抜けた記憶力を得た方法
渋沢栄一は生まれながらにして優れた記憶力を持っているかのように言われたといいます。しかしそれは自然についたものではありません。若い時から、毎晩寝る前に、その日にあったことを全てを思い出し、まず第一にはこんなことがあった、次は何があった、その次は何があったと一つ一つチェックしてから床につく習慣をつけていたそうです。
これは現行の反省考案の方法で、精神修行に役立つだけでなく、記憶力を矯正発達させる上にも大きな効果があるそうです。毎晩1日を振り返ってみてはいかがでしょうか?
④神にすがる前に人事を尽くせ
神の存在を研ぐだけで満足してはなりません。困った時の神頼みは、やるべきことを全てやってから。人間として明確に義務責任を自覚し、間違いなくこれを履行すれば、それで人間の務めは済むはずであると渋沢はいいます。
⑤人として当たり前のことを当たり前にする
ある時、講師の弟子が次のようなことを言ったそうです。「先生ほどの人が、こんな常識的な事しかわからないはずがない。必ずこの上に1段も2段も奥深いことを知っておられるに違いない。私たちが未熟だから、理解できないと思って、平凡な身近なことだけを説かれているのであろう」
すると孔子は次のように返します。
「私は心にするところをありのままに全てをお前たちに教えている。何一つ隠していない。行動にしても、お前たちと一緒にしない事は無い。これが私の全てである」
大事な事は特別なことではなく、人として当たり前のことを当たり前にすることなのでしょう。
4.気になるワード
怒りは敵と思え
部下の長所を取り、短所を責めない
己を責めて人を責めるな