書評

トリツカレ男

1.今日の一言と本のサマリー

皆さんは、新しいアイデアを生み出したい時や、何かに悩んでいる時、どんな本を読みますか?

僕の場合、ビジネス書も読みますが、エッセイや物語を読んだことできらめくことも多いです。特に本を書き始めると極力、ビジネス書ではないものを読むように心がけてます。なぜならビジネスを読んでしまうと、文体が硬くなってしまうから。

逆にエッセイや物語を読むと文体がやらかくなり、読みやすくわかりやすい文章が書けるような気がしています。といっても次の本を書き始めたわけでは無いのですが、友人に勧められ、気になった一冊がこちら。『トリツカレ男』ご紹介していきましょう。

2.岡崎の考察

何にでも取り付かれてしまう男、ジュゼッペ。

レストランで働く彼は、ある時、オペラにはまってしまう。一度取り付かれてしまったらとことん没頭してしまうジュゼッペ。お客様が来ては歌い、注文をとっては歌う。接客をしては歌い、その姿を怒られては歌う。せっかくの食事も横で大声の歌を聞かされていたら、うまさは半減。しばらくは休みをもらうことに。

このトリツカレ男、ジュゼッペの面白いところは次から次えと新しいことに取り付かれてしまうこと。次に取り付かれたのは三段跳び。なんでも端を見ていたら三段跳びがやりたくなったとか。1つのことをとことんやるもんだから、三段跳びも気がつけば世界大会レベル。

さぁ!来週はとうとう全国大会だ!ただ三段跳びをやりたかっただけのジュゼッペ。なんと全国大会には出場せず気がつけば探偵にはまってしまう。

こんな調子で次から次新しいことに取り付かれるジュゼッペ。そんなジュゼッペの目の前に現れたのは、しゃべるハツカネズミ。彼はこう言います。

何かに本気で取り付かれるってことはさぁ、みんなが考えているほど、馬鹿げたことじゃないと思うよ。そりゃもちろん、大体が時間の無駄、物笑いの種、役立たずのゴミで終わっちまうんだろうけれど、でも、君が本気を続けるなら、いずれ何かちょっとしたことで、報われることあるんだと思う。

なるほどな、と思う反面、せっかく世界レベルにまで三段跳びのレベルが上がったのだからそこまで行けば良いのにと思う気持ちも。ただ取り付かれるほど1つのことに集中して努力をすれば大いに力がつくのは確かでしょう。

やるならとことんやる。真剣に取り組んだ事は必ず後から報われる。ということを伝えたいのかなと個人的には思っています。

 

 

さてここからはネタバレです。

 

 

主人公ジュゼッペ。彼はある時公園で劇的な出会いを迎えます。風船売りの少女ペチカ。美しい彼女に一目惚れをしたジュゼッペは彼女のために誠心誠意尽くします。今までとりつかれたことが見事に役に立ちながら…

そして最終的にはペチカとお付き合いをし、後日談ではペチカの夢だったパン屋さんを一緒にやることになったといいます。最後にちゃんと幸せになってくれるストーリーで安心できます。

たまには物語を読んでみるのも良いものです。お勧めできる一冊でした。

3.商品の紹介