1.今日の一言と本のサマリー
1947年に宝塚歌劇団入団した、女優、八千草薫さん。1957年には、宝塚夫人で映画デビューし、宮本武蔵、蝶々夫人などに出演。数多くの賞を受賞し続けてきた八千草さんも、実は華やかな世界が苦手で、女優に向いているかと常に自問自答しながら続けてきたといいます。
ただ、他の人と比べてあれこれと悩むよりも、自分らしい生き方ができたら良いのではないか。
人は必ず良いところを持っているものです。だから、一人一人が持つ宝物を大事にしながら、「自分だけの咲き方」をするにはどのようにしたらよいか?
女優・八千草薫さんの、『あなただけの、咲き方で』ご紹介していきます。
2.ポイント3点
今よりも成長したい、前に進みたいという向上心がなくなれば、人の成長は止まってしまいます。
苦しくても懸命に登った人だけが目にすることができる光景に、出会いに行く。
相手の悪いところばかりをクローズアップせずに、視点を変えて相手の方の持っている宝物を見つけようとする方が、ずっと前向きですよね
3.岡崎の考察
常々、思うことですが、ものがない仕事で活躍し続けるという事は本当に凄いことだと思います。女優という、活躍できるのは一部の世界。どんなことを心がけて活動してきたのでしょうか?書評していきましょう。
①人は、相手を思いやる気持ちの事
品や品格。誰もが知っている言葉ですが、本当にこれが備わっている人というのは、ごく稀なことでしょう。そもそもですが、品位や品格とは何でしょうか?
私は、品位や品格とは、相手のことを思いやる気持ちの表れなのだと思います。人はだれでも、知らず知らずのうちに、相手への配慮を欠いた行動で、不愉快な思いをさせてしまっていることがあるもの。
相手の立場に立って、相手のことを考えた立ち振る舞いをしたいものですね。
②お礼状はその日のうちに出す
女優として早く社会に出た私に、母が口酸っぱく言っていたことがありました。それは、お世話になった方へのお礼の気持ちをきちんと示すこと。相手の気持ちを示すときに大切なのは鮮度でしょう。形は何であれ、思い立ったときにすぐ出す。そうすれば、その時の新鮮な気持ちを相手に届けられるものです。
特に手書きの手紙は嬉しいものですね。特別なときには手紙や贈り物を送るのも良いでしょう。
③丁寧に向き合う時間が豊かな結果につながる
近年、ものすごいスピードで世の中が変化しています。何事も便利になったものだと感じる反面、そのスピードに合わせようと、みんなが少々急ぎすぎているような気もします。
芝居の世界も同様だそうです。いまの芝居づくりは効率を重視し、如何に早く作品を作っていくかが求められているそうです。試行錯誤して作品を作り上げていく醍醐味が失われつつある。互いの意見を尊重しながら時間をかけて進めていることも、必要なものでしょう。
今のご時世なので、効率化もやはり必要ですが、たとえ少し時間がかかったとしても、相手と呼吸を合わせながら、1つのものを作り上げていく。そんなスローダウンした、人や仕事と丁寧に向き合う時間も大切にしたいものですね。
④いただいたチャンスに身を任せる
様々な役どころをこなしてきた、八千草さん。大事にしてきた事は、いただいたチャンスに身を任せることだといいます。意外と、自分の資質には気付かないことが多いものです。だから、他の人が与えて下さったチャンスに思い切って身を任せて、乗っかることで思いもよらなかった新たな自分に出会えることもあるのだと思いました。今では、そうして与えて下さったチャンスのひとつひとつが、私の役柄の幅を広げてくれたのだと、大変感謝しています。
⑤美しさとは、若さにこだわらないこと
八千草さんは、いくつの頃に戻りたいかと尋ねられたら、「私はできることなら40代」と言うそうです。勢いだけで突っ走って、失敗することも許された20代、30代はもういいかなと思っているそうです。
精神的にも肉体的にもとても勢いがあったのは40代。何でも出来るような気がしたといいます。不思議と歳を重ねることが嫌だと思った事はありません。それと同時に、闇雲に若く見えることだけが素晴らしいという近年の価値観に違和感を覚えてしまうことも多々あります。
女性には、若い年頃の女の子とは異なる、年齢を重ねた人にしか見えない美しさがあると思います。それに、自分よりも若い方のことを意識するよりも、自分より年上の世代で素敵な人を見つけようとする方が、前向きな気がしませんか。
歳をとってしまったからと諦めてしまうよりも、いくつになっても美しく、若々しく、挑戦する姿勢で生きていきたいですね。歳を重ねることが楽しみになる一冊でした。