1.今日の一言と本のサマリー
治る見込みのない、ガンの申告を受けた方に会ったら、皆さんならどうしますか?今日ご紹介する書籍は、次のような文章で始まります。
余生を謳歌しているので、「奇跡は起きるから。ありのままで良いから。明けない夜は無いから。」みたいなJ-Pop系の励ましをしなくても大丈夫です。
J-Popを奏でて他人の心配をしている場合でも、不幸だと思い込んで悲しんでいる場合でもありません。これを読んでいるあなたもいつか死にます。自分の心配をしましょう。
自身がガンであることを公表し、全く予想外の、人生相談のメッセージがたくさん届いたという幡野さん。その人生相談の内容と、海外を書籍にまとめたのが本日ご紹介する、『なんで僕に聞くんだろう。』です。
様々な質問から、生きることの意味を考えさせられる1冊。ご紹介していきます。
2.ポイント3点
僕は日常的に心がけていることがあります、人に対してなるべく怒ったり恨んだりしないということです。
子供が選ぶべきことを親が選んでしまうと、子供が大人に成長したときに自分で選ぶことも自分で考える力も培われず、失敗を恐れて行動しない、好きなことや自分がやりたいことがわからなくなってしまう大人になります。
お金は必要です。お金は、あればあるだけ夢に近づきます。そして、信じれば夢は叶うなんてことありません。夢を叶えるには適切な努力が必要です。
3.岡崎の考察
僕はガンにかかった事はありません。胃潰瘍で入院した事はありますが、それと比較するのも失礼なことでしょう。解説をするというよりも、力強い言葉をそのままお伝えしたいと思い、今日は特に考えさせられた言葉を抜粋する形で書評とさせていただきます。
*娘がいじめられているという母親の相談に対して
ドラえもんに出てくる、ジャイアンが僕は嫌いです。人をボコボコにしてものを奪って、映画になったら急に善人になる。どんなDV男だよ。
僕はジャイアンのお母さんはもっと嫌いです。ジャイアンの意見には耳をかさず、やりたくない店番をさせ、暴力でジャイアン服従させる。それでいて妹のジャイ子には漫画家の道を許す。ジャイアンがいじめっ子になったのには理由があります。
*子供の頃から虐待を受け、他人からの好意を受け止めることができないという相談に対して
子供を育てていると感じることなのですが、子供って、自信がなくて、孤独が怖いんです。だから親にだけ強い態度をとることができて、同時に親を独り占めしようともするんです。大人になってもこのままでは困るから、自己肯定感を持つことと、孤独を忘れないことを教えないといけないと僕は思っています。なんで大人になってもこのままでいたら困るかというと、あなたのお母さんみたいになってしまうからです。あなたのお母さんて、実は子供だったんですよ。子供が権力を持ってしまうとこうなっちゃうんです。
*バツイチ子持ちの男性と付き合っていて、彼には結婚の意思がない。
その彼との結婚になやむ女性に対して、バツイチの男性はモテる、なんてことを僕は何度か耳にしたことがあるのですが、そんな事は絶対ないよね。バツイチでモテる男性は独身でもモテるし、結婚しててもモテます。
「よーしこれから、バツイチだ。モテるぞ」なんて思っている人は絶対にモテません。これがイケメンおばかおじさんの思考です。
あなたが彼と結婚したい理由も、彼との子供が欲しい理由もよくわかります。その上ではっきりと言いますが、これはどちらも無理でしょう。あきらめましょう。彼はあなたとの再婚を望んでいませんし、あなたとの子供も望んでいません。彼は1人で何でもできてしまうし、ズバット決断だってできる男性です。もしもあなたが、妊娠や結婚を迫れば彼はあなたと別れるだけでしょう。
*障害がある子供を持つ親御さんに対して対して
障害があろうがなかろうが、人は国籍も性別も病気も多様性があって、当たり前ということを教えます。そして何よりも自分と違うことが、楽しいということをしていると思います。拒絶するのではなく、無理矢理好きになるのではなく、自分と違う存在をまず認めるということです。〜中略〜
僕は、属性による差別や偏見のようなものは、息子が大人になる頃には、今よりも相当減っているだろうと思います、そうあるべきだと願っていますし、信じています。
*旦那さんがガンになり、告知に悩む女性に対して
今では患者本人に告知することが当たり前です、僕もそれが正しいと思います。もちろん鬱状態に陥ったり、自殺につながるデメリットもありますが、それは副作用のようなもので、全体を大きく見ればデメリット以上のメリットがあります。だから20年前の当たり前が、180度も変わったんだと思います。
自分の人生でやりたいこと、自分にとって何が1番大切なことなのかを真剣に考えるきっかけと時間が与えられることです。指の匂いを感じることで、絶望を感じることで、生きることを真剣に考えます。
生き方について考えさせられる1冊。お勧めです。