書評

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた働くことの本質

1.今日の一言と紹介する本

今日ご紹介するのは『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた働くことの本質』です。

それでは、紹介していきます。

2.本のサマリー

人間は、皆同じ、平等だと小学校から聞いてきたと思う。しかし私が見てきた世界の真実は、明らかに不平等にできている。人間は、皆違って、極めて不平等なのだ。

USJ復活の立役者、森岡毅先生。戦略家でありマーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出すノーハウ、マーケティング理論と、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式化し、盛岡メソッドを開発。経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建をした。

本書は自身の子供たちとの関わりにおいて、将来の話をした際に回答が来なかったことから始まる。

何がしたいのか、よくわからない…そんな長女のために書き下ろした手紙。

キャリアに悩むすべての人に役立つ本質的な書籍になる!という出版社のラブコールに応え1冊の書籍にまとまりました。

生まれも違う、顔も違う、得意なことも違う…全く不平等な世界の中で一体どう生きるべきか?

「悩んだ分だけ君はもっと高く飛べる!」心を揺さぶる感動作。

ビジネスマンの父が我が子のために書きためた働くことの本質とは?

3.ポイント3点

問題の本質は外ではなく、君の内側にあるのだ。やりたいことが見つからないのは、自分の中に軸がないから。

たいした能力を身に付けずにのんきに生きている中途半端な、サボリーマンを、AIが合理化してしまう時代

ワークライフバランスとか寝ぼけたことを言っているとますます落ちるだろう。

4.岡崎の考察

厳しくも大事な事をはっきりと伝えてくれる書籍。

そういった本が減っているように感じる最近ですが、この本は久しぶりにいっぱい心にビンタをされた感じがします(笑)

プロ経営者と言われる方々が増えていますが、森岡先生はまさにプロ経営者の1人。その経験からくる言葉には力があります。

今日は働くことの本質とは何かということをテーマに書評していきましょう。

能力の低い人ほどAIを過度に恐れる。AIが流行れば流行るほど、むしろスキル磨きが重要になる時代になっていく。AIが仕事を奪っていく…という話をよく耳にするようになりました。
しかしこれは今に始まったことではありません。産業革命において機械が登場することで、単純労働は激減しました。技術革新が進むにしたがって労働の中身はどんどん変わっていって当たり前。
時代が変われば仕事も変わる。そのことを受け入れることが第一歩でしょう。

会社と結婚するな、職能と結婚せよ。

社会的構造がどういった方向に向かっているのか、それを読み解きながら仕事を選ぶ事は大事でしょうが、将来の事なんて誰にもわかりません。教育の時代だと言う人もいます、エンターテイメントの時代だと言う人もいます、信用残高の時代だと言う人もいます、本当のところ何が正解なのかは、おそらく20年、30年経たないとわからないことでしょう。

そして今働いている会社もその先にずっとあり続けるという保証もありません。だから、どんな会社で働くかよりも、どんな職能がつくのかで仕事を選ぶべき。もしかしたらその能力を将来使い続けられないかもしれませんが、その能力を身に付けるためにした努力は必ず後に生きてきます。

どの会社で働くかということよりも、どんな職能をつけることができるのかという観点で仕事を選ぶようにしましょう。需要が高い職能、代替えがききにくい人の給料は高く、その逆は低くなる。年収の期待値の上下を知った上で、それでも自分にとって情熱を持てる好きな仕事を選ぶべき。

では何を軸に得られる職能を選ぶべきなのか?

当然ですが希少価値が高い職能を持っていればいるほど、高い収入を得ることができます。もし収入を軸に選ぶなら、高い収入が見込める職能を選ぶべきでしょう。

しかし残念ながら収入よるモチベーションはそう長く続きません。だから自分が本当に情熱を持てる事が何かということから選択できるのがベストでしょう。

我々はクラゲのような人生を送っていないか?我々は、エスカレーターに身を任せていないか?目の前にエスカレーターがあると、階段を上るよりも楽そうだから、誰もが思わず飛び乗ってしまいたくなる。でも、エスカレーターは1度乗ってしまうと、最終地点まで一定の軌道で動く以外に自由がなくなるのだ。

1度しかない人生をどう生きるべきか?

誰にも正しい選択なのかわからないですが、クラゲのようにふわふわと漂うだけ、世の中のエスカレーターに乗っかって、気がついたら人生が終わっている、それで人生が最高だとは言えないでしょう。

僕の個人的な主観ですが、人生の価値は挑戦の中にある(興奮と感動がやりがい)と思っています。

安定を求める人がいてももちろん良いと思います。自分の軸を安定とするなら、新しい挑戦からは避けるべきでしょう。

しかし、残念ながらそれでは興奮や感動、やりがいを味わうことができないかもしれません。

自分の人生の軸をどこに置くのか?

正解のない問いかけではありますが、そのことを考えさせる素晴らしい一冊でした。

5.気になるワード

この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!
キャリアに悩む全ての人の役に立つ本質的な書籍
会社と結婚するな、職能と結婚せよ
現実を見極め、正しい選択をすることで、人は目的に近づくことができる。そのために重要なのは、様々な現実を生み出している構造を明らかにすることだ。
社会で成功をつかむためには、覚悟を持って構造を直視し、その本質を大きくしっかりと把握せねばならない。
この世界は、作った神様にとっては極めてシンプルな平等の精神に根ざしているのだが、その結果の偏りは一人ひとりにとっては極めて不平等になるのだ。神様の正体は確立であり、一つ一つの事象の配分は極めて平等にランダムに行われているが、結果には偏りがある。
神様のサイコロで決まった持って生まれたものを、どうやってよりよく知り、どうやって最大限に活かし、どうやってそれぞれの目的に達成するのか?
最大の希望は、それでも選べるということだ。
自分の人生をコントロールする選択肢を握っているのは実は自分自身しかいない。
我々はクラゲのような人生を送っていないか?
我々は、エスカレーターに身を任せていないか?目の前にエスカレーターがあると、階段を上るよりも楽そうだから、誰もが思わず飛び乗ってしまいたくなる。でも、エスカレーターは1度乗ってしまうと、最終地点まで一定の軌道で動く以外に自由がなくなるのだ。
興奮と感動がやりがいであり、人はそれを味わうために生まれてきた。やりたいことがわからないのはなぜだろう?
確かに自分にとってどのようなオプションがあるのか、ある程度は知らない限り最終決断はできない。
オプションが多すぎる事は、むしろ人間にとっては厄介なストレスだ。
問題の本質は外ではなく、君の内側にあるのだ。やりたいことが見つからないのは、自分の中に軸がないから。
自分の中の基準となる軸がなければ、やりたいことが生まれるはずも、選べるはずもない。
最終的には、今の君の精一杯の価値観で、君が軸を決めるしかない。
経験がないのに考えても仕方ないは間違い!
わかると言う事は、何がわからないのかを、わかる事である。
つまり君の不安は、わからないことをずっと放置してきた後ろめたさの闇から溢れ出ている
他人との相対比較ばかり強調される人生で、それが自分の中でも癖になっていて、優越感や劣等感をガソリンにして生きていくことが次第に当たり前になってしまう。その結果、自分の中にある宝物が見えなくなっている人がいかに多いことか。
成功は必ず人の強みによって生み出されるのであって、決して弱みからは生まれない。
同じ特徴が、宝物になるか、弱点になるかを決めているのは文脈である。空気を読めない!と言われる人の同じ特徴が、別の文脈では、場に流されず自己主張がしっかりできるという宝物になる。
キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている特徴を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えると言うことだ。
自分がプロとして身に付ける職能をまずは見極めないといけない。会社よりも職能の方がはるかに大事な理由は主に2つある。
①君がいくら会社に惚れ込んで結婚したくても、会社はどうしても君とは結婚できない
②スキル(職能)こそが、相対的に最も維持可能な個人財産だから
たいした能力を身に付けずにのんきに生きている中途半端な、サボリーマンを、AIが合理化してしまう時代
能力の低い人ほどAIを過度に恐れる
AIが流行れば流行るほど、むしろスキル磨きが重要になる時代になっていく
合理化されるのは、創造的に頭を使っていない仕事だ。
不正解以外は全て正解。不正解とは、自分にとって決定的に向いていない仕事についてしまうこと。不正解をつかんだ原因の大半は、自己分析不足に起因している
内定を取るために別人格を演じるのは不幸の始まり
人間は、皆同じ、平等だと、小学校から聞いてきたと思う。しかし私が見てきた世界の真実は、明らかに不平等にできている。人間は、皆違って、極めて不平等なのだ。
資本主義は、人間の力をエネルギー源にして、人々を競争させることで社会を発展させる構造を持つ
資本主義社会とは、サラリーマンを働かせて、資本家が儲かる構造のこと
年収を決めている3つの大きなドライバー
①職能の価値
②業界の構造
③成功度合いによる違い
需要が高い職能、代替えがききにくい人の給料は高く、その逆は低くなる。
年収の期待値の上下を知った上で、それでも自分にとって情熱を持てる好きな仕事を選ぶべき
どの業界でもある程度のプロになれば、それまで培ったスキルと実績を土台にして、職能のステップアップが可能になる
就活も転職も、最大限に追求すべきは、自分自身の成功確率を最大化すること
自分にとっての成功を定義づける目的を明確にしなければならない。
欲の全くない人間が本当にいるとしたら、それはナルトの世界におけるチャクラが全くない忍者のようなものだ。生きていけない!だから私は力と野心に溢れたこの若者のような目を見ると楽しみになる。君も欲に対して強く正直に生きてほしい。
資産を持って生まれていない人間が、この現代社会において巨大な資産を手に入れる方法は、何らかの方法で資産家になり上がるのがベストだ。
投資を投機と混同しており、投資をしないことのリスクを考える人は少ない。
資本家になりたいのであれば、今すぐ起業して資本家を目指すこと
本気でやればやるほど、成否にかかわらず、君は多くのことを学ぶだろう。
本当に安定したいのであれば、今の大企業に入るのではなく、将来の大企業に入らねばならない
欲しい情報をすぐにインターネットで検索して引っ張り出せる世の中になって、こういう頭を使わない習慣を身に付けた愚か者が加速度的にどんどん増えている。
消費者のプレファレンスは必ずより便利でより快適なものを求め続ける
人生とは、まだ知らない面白いことを求めて、自分の世界を広げていく旅のようなもの
目的が見えてくる発想法
具体的な事から発想するのではなく、どんな状態であれば自分はハッピーだろうかと言う未来の理想状態から発想することである。
ワークライフバランスとか寝ぼけたことを言っているとますます落ちるだろう。
もともと資源にも恵まれていない小さな島国が1億2000万人も食べさせないといけないのに、ライフのために必死に働かなくてどうする?
勤勉さこそが日本人の最大品質の強みなのに、猛烈に働かなくてどうするのだ?
避けた方が良いのは君にどんな職能がつくのか想像がつかない会社だ。
できるだけ早いうちに、できるだけ頭が柔らかいうちに、スキルを高める挑戦を意図的に選ぶ旅を始めるべきだ。
自分が茄子なら立派な茄子、きゅうりなら立派なきゅうりになるように、ひたすら努力を積み重ねれば良いのだ。
土壇場において、あるいは人生において、伝え方が9割ではなく、内容が10割だ
伝え方は、中身があって初めて価値を持つ
君と言う人間の価値をよりよく理解してもらうための中身の準備こそがフォーカスなのは言うまでもない
ブランディングこそがマーケターの仕事の核心だ
良い人とか、悪い人とか、この後にもはやどうでもよくなる
長いキャリアにおいては、切れても良い時と、逃げてはいけない時がある。
逃げても良いのは、自身のブランディングにとって重要でない場合だ。
逃げてはいけないのは、戦うことがブランディングにとって大きなプラスになる時と、逃げることがブランディングにとってオフ・エクイティになってしまう場合だ。
最重要なのは問答無用な実績なのだ。
君がまず焼きになるべきは、ブランドを構築する一環した行動と、結果を出すことにこだわること、その2つだけだ。
理性的に正しい判断をしたつもりでも、変化やリスクの少ない方を頭の中で正当化して選んでしまうのが人間だ。
普通の人と同じようなことをしていたら、普通にしかなれない。
積極的な転職をする時に最も痛いのは、人間関係を振り切って飛び立てるか?と言う悩みだ。
人間は、気持ちよくなるとすぐに成長止めてしまう生き物だ。
最大の注意点は、中途半端になることだ
人はどういう時に最も苦しいのか?自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれた時だ。
貪欲に学ぶ姿勢と、数年に満たない時間がきっと解決する
たとえ自分の意に沿わないことでも、一旦引き受けた限りは、全体(会社)の立場に身を置いて最善の言動を尽くすのがプロ
ある程度の公平さを保つと信じるならば、数字(=結果)を持っていないと、どんな理由があっても評価においては無防備で弱いのは当たり前。
無力なサラリーマンである以上は、後ろ向きな仕事は避けられない
無力ではない、つまり有力なサラリーマンとは?それは会社にとって数多くいる消耗品のような人材ではなく、辞められたら本当に困る人財として組織認識されること。
有力なサラリーマンになった先は、いつか会社の枠を超えて自分の名前で仕事が選べるレアなビジネスマンになってやろう
結果を出さないと誰も守れない
リーダーとしてなさねばならない事は何か?それは、誰に嫌われようが、鬼と呼ばれようが、恨まれようが、なんとしても集団に結果を出させることである。
プロの世界で最初から友情や親切を期待するのは単なるお人好しであり、淘汰される負けマインドである
自分が何の役にも立たない無価値な存在だと言われるのが、私にとっては最もダメージを受ける言葉である。
大切な事は自分の強みで戦うしかないことと、自分の強みを知っておくことの2つ
強い人間は、環境に合わせて自分を変えるか、自分に合わせて環境を変えるか、そのどちらかができる。
最も大切なのは目的の方向に向かって絶えず成長し続けることである
挑戦しないから失敗もしない自分よりも、挑戦するから失敗してしまう自分の方が、圧倒的に強くなれる
痛がり屋さんは、目の前の変化に対応するだけの耐性をそれまでの人生で十分に積めてこなかったのだ。挑戦せずに、変化から逃げる選択ばかりしてきた。挑戦しないから、成長しない。挑戦しないから、相対的にどんどん弱くなる。
どちらの道にも不安があるなら、挑戦する不安の方を選択するべきだ。
失敗しない人生そのものが、最悪の大失敗ではないのか?
許された時間の中で、やりたいことをやらないと大損だ
心の中の不安に住民間を与えて、不安の居場所を認めてあげよう。挑戦している証拠だ!と喜ぼう。
適度な不安と常に共存する人生、それが成長し続ける人生であり、君が他の誰でもない立派な君になるための人生だ。君が君を磨き続ける限りにおいて、不安が一生消えることはない。
挑戦しない癖がつくと、きっと長い人生は退屈になる
プロの世界においては、目的達成に必要な主な能力の全てを自分1人で賄うのはそもそも無理である。
自分の苦手領域をカバーできる他者の力を借りる事は、極めて重要な戦略的手段となる。
バイオリンばかりが50台あるよりも、様々な音色が出せる楽器が組み合わされたオーケストラの方が、表現できる楽曲は多いだろう。それがダイバーシティー(多様性)の本当の価値だ。君がいつか大きなことを成し遂げたいのであれば、自分の周囲に様々な音色(思考の多様性)を求めなさい。
リーダーの仕事とは、みんなが弾きたくなるような楽曲を持ってきて、完成形のイメージを明確に示し、それぞれの個性ある音色を引き出して、それらを組み合わせて音楽を作ってことだ。
人は変わろうと思ってもなかなか変われない。なぜか?それは、変わろうと覚悟したときの意識変化と、実際の行動変化までのタイムラグに耐えられないから
行動変化には時間がかかる
目的に好ましい行動を取れる確率を少しずつ上げていく
後ろは一切振り向かなくていい。君自身の人生を充実させるために何が必要か、それだけを考えながら前に進めば良いのだ。もう親の期待とか、親孝行とか、そんな事は一切考えるな!
挑戦する限り、君はきっと何者かになれる。
日本人はもっと強くならなければならない。

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