書評

人生を思い通りに操る 片づけの心理法則

1.今日の一言と本のサマリー

世の中には、幸福な人と、そうでない人がいます。一体、両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか?

生まれ持った才能や環境の違いもあるでしょうが、実は、それよりもはるかに重要で決定的な違いがあるといいます。限りある時間やお金、体力や注意力といった自分のリソースを、人生において達成したい目標に集中できているかどうか。では限られたリソースを自分の達成したい目標に集中させるために大事なことは何か?

それが片付けです。

どうでもいいもので溢れた環境で暮らしていると、次第に自分がどんなものを求めているのか分からなくなり、大切なお金を無駄遣いしたり、大切な時間を探しものに使ってしまうことになります。片付けは、大切なことに使える時間やお金、体力や注意力を最大化する1番の方法なのです。

人生に革命を起こす全く新しい片付けのメソッド。『人生を思い通りに操る 片付けの心理法則』ご紹介していきます。

2.ポイント3点

部屋の中が整っているように見えても、片付けが成功したとは言えません。自由な時間が増えなかったり、帰ってメンテナンスのための時間や労力が増えてしまったりするような片付けに意味は無いのです。

集中力を生むのはシンプルさです。できるだけものがない環境が、集中力をますのです。

真の問題は、家が狭いことではなく、ものが多いことです。

3.岡崎の考察

片付けられなくて困っている…ものが溢れかえって、何から手をつけてよいのかわからない。年末の、大掃除のシーズン。片付けについて悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?

そこで今日ご紹介する書籍から片付けの基本三原則をご紹介する形で書評としたいと思います。

①選択肢を絞り込む
まず片付けの基本三原則をご紹介する前に、片付けに悩む人には、例外なくある共通点があります。その共通点とは、なかなか物が捨てられないという問題。そもそもなぜ、私たちはものを捨てられないのでしょうか?ものが捨てられないという心理を分析すると、3つの心理効果が働いていることがわかります。

1.選択回避の法則
選択肢が多くなりすぎると人間はものを選べなくなるという法則

2.損失回避の法則
人間は自分が損することを非常に恐れる存在だという法則。得ることよりも失うことを恐れてしまう傾向にあります。

3.保有効果
自分が所有したものに、より高い価値を感じてしまうという法則

そして、これらをまとめて言うなら、ものが捨てられない問題の正体は、現状維持の法則なのです。これをいかに乗り越えられるかが、片付けのポイントだとおさえてください。そのために大事なことが選択肢を絞り込むこと。現状維持を捨て、本当にやるべきことに集中しましょう。

②取り掛かるまでの時間を最短にする
自由な時間を増やし、人生を最大化するための片付けの原則②は、初速最大化の原則です。これは、次の行動に取り掛かるまでの時間を最短にする、ということです。片付けとは、やるべき事にとりかかりやすい環境を作る、という事でもあるので、動きやすい環境を作るということが1番の目的です。
そのために意識すべきことの1つ目は、必要なものが手に取りやすい環境です。行動のために必要なものを手に取りやすい場所に置くようにしましょう。
2つ目は、手順を減らすことです。何かをするときに取り掛かるための手順を、1つでも多く減らせるようにしましょう。完璧に整ってからでないと動けないという人がいますが、完璧に整えると手順が増えてしまいます。むしろ整ってない中ですぐ動くこと、そして動き始めたら動きやすい環境を整えることを意識しましょう。

③ローコスト管理の原則
片付けについて、ただものを減らせば良いというものではありません。片付けていらないもの、処分するものを決めるときの基準はいろいろありますが、自由な時間を増やす、人生を最大化するという、目的においては管理コストが高い物を省くことを考えましょう。
管理コストが高いのは、例えば洗濯。洗濯をするときに洗濯板で洗った場合、管理コストが高くなることになります。洗濯機を使ったほうが、大きなものを持つことになりますが全体の管理コストが下がるわけです。

・そのものを持った時に、自分の管理コストが下がるかどうか?
・そのものを持っていることによって、自分の管理コストが上がらないか?

このことを基準に必要なものと必要がないものを選択しましょう。非常に合理的で、参考になる一冊でした。片付けに悩んでいる方は手に取ってみてください。

4.気になるワード

部屋の中が整っているように見えても、片付けが成功したとは言えません。自由な時間が増えなかったり、かえってメンテナンスのための時間や労力が増えてしまったりするような片付けに意味は無いのです。
選択肢を3つにすると、即決ができる
人間にとって3という数字が認識しやすい
こういう時代に生き残る(価値ある仕事)とは、人間らしい能力を1番使える仕事。つまり、新しいことを発想するオリジナリティーに溢れた頭脳労働です。
ものを所有することでなく、使用することによって幸福を生む
目標も、減らした方が良いものの1つです。向上心があるのは良いのですが、やたらたくさんの目標立てたがる人がいます。当然のことですが、目標が多くなればなるほど集中力は分散しますから、成果が出づらくなります。
ものが少ないと、狭い部屋でも快適に過ごすことができます。だから、高い家賃を払って広い家を借りなくても、コンパクトな空間で満足して暮らせるのです。
大富豪は、中途半端なものに魅力を感じない
お金が無限にあると仮定し、本当にほしいか問いかける。
妥協を止めて、1番良い物に囲まれて暮らそう
何かものを1つ手に入れたときには、入れ替わりに2つのものを処分することを徹底しましょう。
幸福度の向上は判断能力や積極性の向上にもつながる
人は、もっぱら自分のためにする自己的行動よりも、利他的行動をとったときに、より幸福を感じる
ひと目見てどこに何があるかわかり、さっと取り出せてさっと元に戻せるような、ゆとりある収納にする必要があります
真の問題は、家が狭いことではなく、ものが多いことです。
毎日使うものについては、「3または4」を基本的な数量と考えてください
デスクは、聖域であるべきです。
片付けるべきものが一切ない状態に保たれているのが理想です。
集中力を生むのはシンプルさです。できるだけものがない環境が、集中力をますのです。
移動中にやることを絞った方が集中できるし、1つの行動するためのものはさほど多くない
より多くのことをこなすため、持ち物を少なくしましょう。
本当にやりたいことの時間を最優先で確保する
時間がうまく使えていない人の多くに、仕事をやり残すことが多いという傾向があります。
やりかけの仕事があると、実際より忙しいと勘違いする。
作業を切り替える回数が増えれば増えるほど、作業効率が下がります
理想は、行くべきところに行き、行くべきでない所には行かないということです。

5.商品の紹介