書評

「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣

1.今日の一言と本のサマリー

仕事が多くて早く帰ることができない!メンバーが毎日遅くまで働いている!そんな悩みを抱えているリーダー、管理職の方も多いのではないでしょうか。

なぜそんなことが起きてしまうのか?

答えは無駄なことをたくさんやっているから。いつもの習慣を少し変えるだけで残業がなくなる。短時間で結果を出す、理想的なチームの作り方。ご紹介していきます。

2.ポイント3点

長時間働く人が会社に貢献している時代から、短時間で成果を出す人が重宝がられる時代に。

仕事が1つ増えたら、1つ減らせないか考える

定時に帰るという絶対的期限が、意識的にせよ無意識にせよ、生産性の高い仕事、つまり優先順位の高い仕事から片付けていく習慣を作った

3.岡崎の考察

旧体系の組織において、残業することが美徳という文化はまだ多少残っているようにも感じます。当然ですがこれからの世の中は残業して頑張ることよりも、残業せずに成果を出す事の方がずっと評価される世の中になるでしょう。

そこで残業しないチーム、残業しない仕事の仕方をするための秘訣を4点ご紹介したいと思います。

①年間150時間を削減する
ビジネスパーソンは、年間150時間あることに時間を使っています。何だと思いますか?答えは、探し物をしている時間です。
書類がない、蛍光ペンがない、スティックのりがない、保存したはずのファイルがパソコンから見つからない、電話をかけようとしたら連絡票がない…生産性が全くない、探すという行為に、これだけ多くの時間を費やしてしまっています。だから、探し物をなくすために整理整頓をすることが重要です。
ゴミ屋敷のようにもので溢れているオフィスでは、探すことに労力が注がれます。探している間に集中力も切れて効率が悪くなります。

整理整頓の手順は、
・机の中の不要なものを徹底的に捨てる
・共有物を管理するルールを決める
・重要な書類だけ紙ベースで残す
・書棚に使う順に並べる
・パソコンの中を整理整頓する
事務所がミニマリストの部屋のようになるように心がけましょう。

②残業しないチームはサッカーを好む
残業だらけチームの働き方は、野球の試合に似ています。定時に帰るという時間制限を設けていないため、成果(勝利)が出るまで仕事(試合)を続けることになります。野球と比べてサッカーは、1試合90分という限られた時間の中で戦います。時間制限があるのです。
残業が多いチーム、人たちは、時間を区切らず仕事をしてしまう傾向にあります。そこで定時後に予定を入れるようにしましょう。残業しないで帰るための仕事と時間をやりくりする方法を考えるようになります。意図的にプライベートをスケジュールに組み入れることによって、時間までに仕事が終わるような仕組みを作っていきましょう。

③高い電気シェーバーを買いなさい!
「ここに4000円と10,000円の電気シェーバーがあります。あなたなら、どちらを買いますか?」この情報だけだと安いシェーバーを選ぶかもしれませんが、続きがあります。「4000円のシェーバーは経済的ですが、剃るのに毎朝10分間、しかも剃り残しあり。10,000円は高価ですが、剃るのに3分、しかも剃り残しなし。」

もうお気づきだと思いますが、物の価値は、金額だけでなく使用できる頻度や期間、満足度を考慮に入れる必要があります。場合よっては、時間をお金で買うことができるのです。仕事なども同様で何か必要なものを購入する時この時間に対する感覚を持ちましょう。

例えばシュレッダーなど、待つことに時間が奪われ、品質の悪さでストレスが溜まる商品を購入してしまうこともあります。チームの優秀なメンバーにとって大きな損失になります。自分の時間を増やすことはできませんが、人に任せることで自分の時間を使わずに済む。自分の時間は買えないけれど、他人の時間は変えることを覚えておきましょう。

④重要な2割の仕事を優先する
パレートの法則をご存知ですか?商品の売り上げの8割は、全商品のうちの2割の銘柄が見出している、企業の売り上げの8割は、全従業員のうちの2割の従業員で見出している、などなど、物事は20:80に分かれていくという法則です。
これは仕事の中でも同様です。自分にしかできない重要かつ緊急な2割の仕事と、自分でなくてもできる任せることができる8割の仕事に分かれます。本当に大切な2割の仕事に集中するようにしましょう。

⑤仕事を後回しにしない
ついつい期限が先な仕事や、クリエイティブな能力を求められる仕事は後回しにしがちです。気乗りしないので、普段から行っているルーティンワークや簡単な仕事を優先してしまいがち。しかし後回しにすることで、残業が増えてしまいます。その理由は次の通りです。

1.急いでやるので、ミスややり直しが多発する
2.新たな工程に時間をとられてしまう
3.別の仕事が舞い込んでしまう可能性がある

案件が発生したら、すぐに必要な工程を全部洗い出し、予定表に入れ決められたスケジュールで作業するようにしましょう。また呼び時間を確保し、急な仕事にも対応できるようにしてください。

時間管理の専門家、石川先生らしい素晴らしい書籍でした。お勧めの1冊です。

4.気になるワード

長時間働く人が会社に貢献している時代から、短時間で成果を出す人が重宝がられる時代に。
量より質、時間より成果の時代になるのです。
24時間戦ってでも成果を出しなさい。という時代から、限られた時間の中で成果を出しなさい。に変わっていきます。
残業しないチームは、毎日の時間短縮を積み重ねている
書類の片付けのコツ
①まず忘れてはいけない重要な書類を残す
②判断に迷った書類を1年基準で選別する
③書類をPDFファイルでペーパーレス化する
④書棚の奥書類ファイルは重要なものを取りやすい場所に配置する
日々作っているファイルがどんどん増え続け、わけわからないようになるので、ルールを決めて保存することが必要です。次の点に注意してください。
①デスクトップにファイルをおかない
②ファイル名に検索で引っかかるキーワードを入れておく
③ファイル名に日付も記入する
人間は意志が弱いです。強制力が働かないと楽な方へ行ってしまいます。
残業しないチームは、朝礼で社員が何時に帰るかを自己申告します。
適正な仕事量を支持しないリーダーにも問題があります。
午前中は集中力が高まる時間帯と言われています。逆にランチ後は集中力が低くなる時間帯と言われています。
人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能ならば起床後12から13時間が限界であり、15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率まで低下する
なんとなく1時間でしていた仕事を15分間隔で設定していく
決断力とは、正しい判断を速くできる能力
伝達手段で一番大切な事は、伝わることです。
過去を調べれば今がわかる。特に書類などは繰り返し作られるものだから、新たに作る必要は無い
疲れきっている中での会議だからこそ、立って行う
仕事が1つ増えたら、1つ減らせないか考える
生産性を下げないで残業せずに帰ることが目的です。
残業が悪いのではなく、定時で帰ることを諦めて作業していることが悪いのです。
定時に帰るという絶対的期限が、意識的にせよ無意識にせよ、生産性の高い仕事、つまり優先順位の高い仕事から片付けていく習慣を作った

5.商品の紹介