書評

売上がぐいぐい伸びるお客様の動かし方

1.今日の一言と本のサマリー

現代マーケティングの第一人者、フィリップ・コトラー。経営学やマネジメントの大家、ピーター・ドラッカー

この2人の名前は、1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。では、2人の教えをそのまま活用して良いのでしょうか?時代は大きく変わり、企業から情報を発信するメディアの数が増大しています。テレビ、ラジオ、雑誌位だったのが、ウェブが加わり、TwitterやFacebookを始めとするSNSが加わり、YouTubeなどの動画共有サイトも加わりました。

当然ですがメディアの数が少なかった時代と、メディアが溢れかえった現代社会とでは、彼らの主張をそのまま実行するだけでは通用しなくなってしまうのも当然です。もちろん、マーケティングの本質は変わりません。原理原則、マーケティングの本質は、お客様を動かすこと。商売の本質は、こちらが何を売りたいかではなく、お客様の目線に立つこと。こういった事は何も変わりません。しかしこれを現代社会に置き換えるなら、どのような手法があるのか?

今日はマーケティングに関わる、『売上がぐいぐい伸びるお客様の動かし方』をご紹介していきます。

2.岡崎の考察

具体的な事例に基づいて、マーケティングを開設した本書。ご紹介したい4点をお伝えしていきます。

①シン・ゴジラはなぜ大ヒットしたのか?
シン・ゴジラは、ゴジラの最新版として興行収入80億円を突破した大ヒット映画。実は予告編にある仕掛けがありました。今までのゴジラの予告編は、どんな映画かしっかりわかるように、大枠の話のあらすじ、そしてゴジラの活躍する場面が散りばめられていました。
しかし今回のプロモーションは違ったのです。なんと、予告編にゴジラの姿が出てこなかった!これにはびっくりです。そしてあえてゴジラの姿を出させないことで、検索をするように誘導をしています。
こういったその先が気になるから調べるようにプロモーションを行うことを、『ディザスタープロモーション』といいます。簡単に言ったらチラ見せって感じですね。

②入り口が分かりづらい名古屋のカフェが売れた理由
名古屋市営地下鉄の本山駅から徒歩2分のところに、『』というカフェがあります。駅近ではありますが、気づかれずに、通り過ぎてしまいそうな小さな入り口。階段を降りた地下にある隠れ家カフェといった趣。さらに、スペースに対してスカスカのテーブル。経営コンサルタント的に見たら、売り上げを上げるために席数を増やさなければいけないとアドバイスをするところです。そんなカフェですが、条件が悪いにもかかわらずお客様がいないところを見たことがない位人気を集めています。その理由はわかりますか?

実は、手紙が書けるカフェという独自コンセプトを展開しています。カフェのコンセプトと言えば、スターバックスのサードプレイスが有名です。サードプレイスとは自宅、職場、学校に加えて、お客様がくつろげる、第3の場所を提供するというもの。そのため、人がくつろぎたいと思うような場所によく出店されています。ですから、くつろげるというだけではスターバックスと共通し、勝ち残るのは難しいでしょう。
お店全体を通して、ゆっくり手紙が書けるほど、プライベート空間が確保されてる落ち着いた場所というコンセプトが貫かれているから、人気を博しているのです。コンセプトを絞り込む事によって、顧客を取り込んでいるわけです。

ただ誤解がないように補足します。特化する事は、それ以外を捨てることではありません。あくまで、絞り込んだ層を中心にするという意味です。絞り込むことによって、その周りに存在する見込み客の興味も集められ、良い結果をもたらしてくれるわけです。

③ロサンゼルスの、バナナ・リパブリックが男性客を店舗に誘導する方法
ロサンゼルスにある、バナナ・リパブリックは1階にレディース、2階にメンズという作りをしています。一見するとレディースしか扱っていないように見えてしまうのが欠点。そこであるコピーを使うことで、男性客の目を引いています。

それは、「男性へ。頭を上げてみて!

入り口のガラスに書いてある、店名の下に手書きで、書かれたこの一言。もちろん英語ですが、かなり目立ちます。お店側の立場に立つと、2階に男性フロアがあって当たり前と思ってしまうかもしれませんが、お客様はそんな事は知りません。お店が考えているほど、お客様はこちらのことを知らないということを念頭に置きましょう。

④水平思考と垂直思考
上記のような様々なアイデアを生み出すために水平思考と、垂直思考を意識しましょう。垂直思考とは、今、自分が展開しているサービスを深ぼっていくという方法です。水平思考とは、今までにないアイデアを取り入れて規制概念や過去の成功体験をさせて、創造的に常識を破壊してみるという方法です。当然ですが後者の方がイノベーションが起きやすいという傾向にあります。

水平思考を行う時に次の3つの方法を検討してみると良いでしょう。
1.何かと何かを合わせて新結合する
2.正反対のことを考えてみる
3.複数のアイデアを出す機会を持つ

もし今新しいアイディアが必要だという形は検討してみてください。

3.気になるワード

現代社会において、商品、サービスを知ってもらうプロセスに検索は欠かせません。
すぐに行動を促したい場合に大切なのは、今だけ、ここだけ、あなただけ、というメッセージです。
事業コンセプトを絞り込んだ方がお客様を惹きつける。ターゲットにアピールするコンセプトを整理しよう
お客様が知らない店を伝えるには、できるだけ工夫することが大切です。お客様の注意を引くために、面白いキャッチコピーや目立つデザインが必要です。
メニューを作る際には、自分が売りたい構想を中心にして、その上下のメニューを考えるのが、お客様の財布の紐を緩ませるコツなのです。
経営の基本戦略は、コストでリーダーシップを取るか、差別化するかのどちらかに大別されます。
顧客満足を超えて、顧客感動を追い求める
男性トイレの小便器に小さなハエのイラストを描いたら、みんなそのイラストめがけて用を足すので汚れが減った
お客様は忘れっぽくもあります。何とか思い出してもらうために、お客様にとって有益なことを提供し続けて、来店を促す必要があります

4.商品の紹介