書評

人生を変える行動科学セルフマネジメント

1.今日の一言と本のサマリー

多様な価値観があり、新規のわからない膨大な情報が溢れている現在社会。終身雇用も過去の話となり、大企業に勤めていたとしても、この先どうなるかわからない…
一方で、同世代に目を向ければ、ノマドと言われるような仕事のスタイルで、自分で働き方を選択する個人も現れています。今私たちに問われているのは、自己責任という世界観なのでしょう。

何でも選べが、自分でその責任をとらなければならない。一体何が正解なんでしょうか?

間違った選択で人生を大なしにしたくはないけれど、目に見えるリアルな基準を求めることができない。そんな現代社会だからこそ必要とされる能力、それがセルフマネジメント能力でしょう。

いつも結果を出す自分になるために、ネガティブな考え方を変えていつも前向きに生きるために、悪習慣に依存する自分を変えるために、セルフマネジメント能力を身に付けるためにはどのようにしたら良いのか?ご紹介していきましょう。

2.ポイント3点

人を変える事はできません。あなたが変えることができるのは、あなただけなのです。

落ち込みの堂々巡りにはまりそうになったら、常にこの3つのスタンスで考え、対策を練りましょう。
感情的にならず論理的に
主観的でなく客観的に
抽象的でなく具体的に

続けられない自分は意志が弱いのではなく、続けられないのは当然のことと考えてください。そして、だからこそ続ける仕組みを考える必要があるのです。

3.岡崎の考察

結果を導き出すためには行動しかありません。どれほど強い意志があろうと行動なきところに結果は生まれない。逆に意志は弱くても行動すれば結果が出ます。わかりやすく行動にフォーカスすれば、意志という極めて不明瞭で高いハードルにさいなまれる事はなくなります。
そこで、行動にフォーカスしセルフマネジメントしていくためにどのようにすれば良いのか?という観点で書評をしていきましょう。

①なぜ人は、自分が思うようにマネジメントできないのか?
例えば、人に対してイライラしないとか、ダイエットするとか、タバコをやめるといった、小さな習慣が身につけることができないのは何故なのでしょうか?もしかして、意思が弱いからだと思ってませんか?
だとしたら、その考え自体が、自分を変えることを邪魔しています。意思が強ければ、人一倍努力出来るし、感情も抑えられるし、ダイエットも禁煙も成功できるのだから、まずは意志を強くしなければならないというのは勘違い。こんな思考だから、ずっと変われなかったのです。意志を強くするのではなく、行動を変えるだけ。まず行動にフォーカスしましょう。

②人間の認知のズレに気づく
アメリカという巨大なマーケットで成功している人たちを調べると、ポジティブな性格やアグレッシブな態度などは、必ずしも成功の絶対条件ではないということがわかっています。むしろ気持ちで頑張ろうとすればするほど、認知の歪みによって罠にはまることになります。
例えば禁煙をしようとしたとします。1日タバコを我慢できたら、自分の意思は強いと思い込み、その翌日一本吸っただけで、どうしようもなく意志が弱いと自分を責めたりします。そして、そこからいろいろな作り話を始めてしまいます。こんなだから、仕事も失敗するんだ…周りの人たちから、だらしがない人間だと軽蔑されているに違いない…そして、だから禁煙なんて試みたってしょうがないのさとなるのです。
事実はシンプルです。1日ずっとタバコを吸わない日があった。その翌日は1本吸った。ただこれだけのことです。そんな被害妄想的に自分を卑下する必要は無いのです。認知を歪めず事実に正しく目を向けましょう。

③人間は目先の利益に左右される生き物
人が行動するときには3つのステップを踏みます。
先行条件→行動→結果
先行条件とは行動のきっかけになる環境のことを指します。例えば会社で上司から企画を出せと言われた。これが先行条件です。そして実際に企画を出すという行動をとり、そこから何を得られたかが結果です。
例えば企画を出して次のように扱われたらどうでしょうか?「もうその企画いらなくなったんだ、ごめんね。」腹も立ちますし、二度とやってなるものか!となるのではないでしょうか。人は先行条件よりも得られる結果によって行動が決まってきます。目先の利益に左右されるのが人間なのです。ですから行動をとった後、なんらかご褒美を設定するようにしましょう。

④スタートと継続は別の行動であると理解する
三日坊主という言葉もありますが、始めてみたもののすぐに諦めてしまう。そして自分に失望してしまう。そんなこともあるかもしれません。しかし大前提として、スタートと継続は別の行動であるということを理解しておく必要があります。物事を始めるのは比較的簡単でも、続ける事は難しいのです。
思うように結果に繋げられない理由は次の2つしか考えられません。
1、やり方がわからない
2、やり方は分かっているが継続の仕方がわからない
続けるためには、続ける仕組みを考える必要があります。前述した通り人は報酬によって動きます。特に達成感という報酬があれば、人は自発的に行動するもの。セルフマネジメントしていく場合には、行動した結果すぐ成果が得られる目標を立てるか、成果がわかりにくいなら、何らかのご褒美を用意すると良いでしょう。

具体性が高く、実践しやすい行動科学マネジメント。実践してみたいと思う方、お勧めできる1冊だと思います。

4.気になるワード

仕事にしろ私生活にしろ、様々な物事を成功させるのは意志ではなく行動です。行動変容、つまり行動を変えていくことが、あらゆる事態を変えていきます。
小さな行動の集積が良い結果を招いている
思い通りに願望を成長させられない時、その理由を意思が弱いから、根気がないから、性格に問題があるから、モチベーションが低いからなどと考えて1人で落ち込むのは、もうやめにしましょう。
すべての結果は行動の蓄積である
人は常に行動で判断される
わかったつもりでいても、人は意外と自分を知らないものです。
人は損失に敏感になると、大きな利益を得られる高い可能性を捨てても確実な利益を選ぶ
多くの人が落ちる自己否定は、現実のものではありません
事実ではないことを事実であるかのように思い込むことによって、様々な不都合が起きます
人は自分で考えているほど個性的ではなく、同じようなパターンや陥りやすい
人間は感情を持つ生き物であり、行動は感情に影響を受ける
行動を変化させてこそ人は変わる
どんな大きな目標も、小さな具体的行動の蓄積によってのみ達成できる
自分で自分の感情に火をつけてしまうタイプの人に知っておいてほしいのは、怒りなどの突発的なマイナス感情は30秒で収まるということです。
現実と向き合った時に逃げる選択をしがちな人は、将来的に得られる利益を見るのが下手なのです。
頑張っている人ほど、何かに依存したい欲求を持ちかねません。
言葉は、それを発した人の思惑とは全く違った一人歩きを始めます。
過去にとらわれる人は問題を抱え続けることになる
どうしても私たち人間は、負の側面を過大評価する癖があります
問題はできないことではなく、できない自分を許せないことにこそあります
今、現実を主体的に生きることですか、あなたの人生は良いものにできない
大事なのは、何らかの願望を持ったら、それが叶ったとき自分はどんな状況になるか、その状況で自分はどうしたいのかということを具体的に考えることです
幸せとは自分の捉え方で決まるものだ
一生懸命とか頑張るという言葉はかなり曖昧で、具体性がありません
続けられない自分は意志が弱いのではなく、続けられないのは当然のことと考えてください。そして、だからこそ続ける仕組みを考える必要があるのです。
始めることに関して大事なのは、ハードルを低くするということです
人はいつからでも変われる
行動は小さければ小さいほど取り組みやすいだけでなく、曖昧さが排除される
結局、やらなければならないのは現在目の前にあることだけ
成功者たちは心の問題を放置しなかった
私たちは目先の快楽に弱い
人間に失敗や挫折はつきものです。それを想定外にしてはいけません。失敗や挫折を受け入れがたいものと考えるから不要な落ち込みに見舞われるのです。
落ち込みの堂々巡りにはまりそうになったら、常にこの3つのスタンスで考え、対策を練りましょう。
感情的にならず論理的に
主観的でなく客観的に
抽象的でなく具体的に
ときにはやりたくない自分を認めるのも大事なことです
人を変える事はできません。あなたが変えることができるのは、あなただけなのです。

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